2019 Fiscal Year Research-status Report
アジア開発途上国における縮小都市の現状と我が国の経験の適応に関する研究
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17K06697
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松行 美帆子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90398909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志摩 憲寿 東洋大学, 国際学部, 准教授 (90447433)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アジア開発途上国 / タイ / 中国 / 縮小都市 / 少子高齢化 / 人口減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイに関しては、各自治体における人口及び年齢構成に関する経年データの収集を行い、その入力と分析を終わらせた。 また、自治体データより、とくに人口減少の大きな自治体での関係者インタビューを実施した。北部のランパーン県ランパーン市においても、ランパーン市長、他関係者にヒアリング調査を実施した。中部については、ラチャブリ県ポーターラーム市役所において、ヒアリング調査を実施した。その結果、ランパーン市においては、高速道路の接続により、近隣の大都市であるチェンマイへ買い物客が流出してしまい、結果として中心市街地が衰退した。さらに、市内に魅力的な雇用がないなどのために人口流出が続いており、学校の閉鎖もあったことが明らかになった。その対策として、観光産業の振興のために、ストリートアートプロジェクトや古い建築物のリノベーション、古い市場の再興などの事業が行われていることが明らかになった。ポーターラーム市においては、鉄道駅があるため、周辺の農村から農作物を運送するための物流の要所であったが、輸送手段がトラックとなり、交通の要所ではなくなったことや、より安い労働力を求め工場が海外に転出したことによる産業の衰退などが人口減少の背景にあることが明らかになった。 さらに、内務省都市計画局においても、ヒアリング調査を実施し、タイにおける人口減少自治体の概要の把握を行った。 また、縮小都市に関するディスコース分析として、新聞記事、学術論文、政府報告書でのディスコースに関する調査も開始した。 中国に関しては、中国におけるシュリンキングシティに関する論文レビュー(英語、中国語文献)を終了し、レビュー論文の執筆を行った。さらに、中国の各都市の人口データの収集を行い、そのデータの分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月から中国における現地調査を開始する予定であったが、新型コロナウィルスの影響のため、中国への渡航が出来ず、中国における調査で遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、タイにおいては各地方において、とくに人口減少が進んでいる自治体から関係者を招いたフォーカスグループディスカッションを実施予定である。また、ディスコース分析をさらに進める予定である。 中国に関しては、現地調査として大学教員とのディスカッション、いくつかの縮小都市におけるケーススタディを実施予定である。 これらの結果を論文にまとめる予定である。 現在全世界に蔓延している新型コロナウィルスの影響により、海外渡航が出来ない可能性も危惧される。その場合は、研究期間の延長が必要であると思われる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、2月、3月に海外渡航が出来なかったため。2020年度に海外渡航ができるようになったら、2月3月に行う予定であった、中国での調査を実施する計画である。
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Research Products
(2 results)