2020 Fiscal Year Research-status Report
画像解析と生体計測に基づく枯山水庭園の感性評価に関する研究
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17K06701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲上 誠 名古屋大学, 未来社会創造機構, 研究員 (40597803)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 枯山水庭園 / 感性評価 / 複雑さ / 秩序 / 生体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の流行により,予定していた本実験を行うことができなかったため,研究期間を再延長することにした.前年度の計画変更により,バーラインの覚醒ポテンシャル理論の検証に焦点を絞ることを決めていたが,追加の文献調査および予備実験の結果に基づき,詳細な実験内容について検討を進めた.実験美学における基礎的な理論であるため,枯山水庭園がもつ日本独自の感性に適用することには,学術的かつ文化的な意義があると考えられる. 複雑さと感性評価の関係については,絵画や音楽を対象にした研究が多く報告されているが,環境を対象にした研究は少なく,建物のファサードや自然景観の検討に限られていた.また,複雑さの要因は多面的(要素の数,多様さ,配置など)であり,秩序とのバランスが感性評価に影響するということが明らかにされていた.複雑さと秩序は枯山水庭園の感性においても重要であると考えられるので,本実験ではその二つの特性に注目することにした.実験の刺激として提示するため,既に様々な庭園の画像を収集しているが,極端に複雑で無秩序な庭園は存在しなかった.そこで,画像編集ソフトを利用して,物体(石や植栽)を追加するなどの加工を行った. 生体反応については,覚醒度との関連および利用できる電極数を考慮して,眼電位と脳波と心電を計測することにした.眼電位からはサッカードや瞬目などの視覚行動を解析し,脳波からは後頭部のα波や前頭部のθ波などの成分を解析する.さらに,サッカードの直後の脳波の変化(眼球停留関連電位)についても解析を行う.心理評価(発話や用紙への記入)によるノイズを抑えるため,生体計測と心理評価は別に行うことにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により,本実験を行うことができなかった.生体反応を計測する実験では,電極の取り付けの際に参加者に接触することが避けられず,参加者を募集することも難しかった.
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Strategy for Future Research Activity |
実験環境の準備が整い次第,新型コロナウイルスへの感染対策を十分に行なった上で,本実験を行う予定である.実験者と参加者はマスクを着用し,定期的にアルコールで手指の消毒を行う.参加者が触れるものについても,実験の前後に念入りに消毒する.
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Causes of Carryover |
令和2年度に予定していた実験を次年度に行うので,そのための経費として使用する.
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