2018 Fiscal Year Research-status Report
個室ユニット型特養におけるインカム導入が介護職員の負担軽減に及ぼす効果
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17K06703
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 研 京都大学, 工学研究科, 教授 (70311743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健太郎 近畿大学, 建築学部, 教授 (60445046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護負担軽減 / インカムマイク / デイサービスセンター / ユニット型特別養護老人ホーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,インカムマイクを導入する岐阜県のデイサービスセンター(定員40名)を対象として,その導入前後の各2週間の期間において,職員の動きを,歩数を記録できる活動量計(ライフコーダーEX)を用いて,歩数の比較調査を行った,また,導入前後でアンケート調査票による介護負担とストレスの調査を実施した. その結果,歩数については,職員全体で約24.8%の歩数が統計的に優位に減少した(p<0.05).特に 8 時から 15 時の入浴介助を実施する時間帯の減少が多きく,浴室とリビングの連携にインカムマイクが有効に活用されて,介護負担軽減に役立つことを実証できた.また,アンケート調査の結果から,職員は「二人介助のしやすさ」「利用者との対話時間」を除く項目でインカム導入の効果が確認できた.なかでも「他の介助職員との連携」「看護職員との連携」の評価は高く,インカム導入が職員間の連携をスムーズにすること,また,「業務時の移動距離」「他の職員を探す時間」「利用者を待たせる時間」「職員を待たせる時間」などの項目も改善がみられた.その一方で,インカムのイヤホンのコードが介助動作の邪魔,インカムで耳をふさぐため,利用者の声を聞き取りにくいなどインカム導入に伴う課題も把握された.しかしながら,仕事に対する満足度,仕事に対する燃え尽き度については,統計的に優位な改善がみられなかった.その理由をスタッフにインタビューしたところ,運悪く,インカムマイク導入直後に,複数の職員が退職した結果,インカムマイク導入後に少ない職員体制を強いられたことが原因として指摘された.インタビューした職員からは,インカムマイクの導入がなければ,もっとストレスが大きかったと考えられるというコメントは得られたが,予期せぬ現場での職員体制の変化が当初予定していた結果に若干影響した点は否めない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度のユニット型特別養護老人ホームの調査,2018年度のデイサービスセンターの調査と種別の異なる介護施設において,インカムマイク導入の効果を具体的に明らかにすることができた.歩数などの身体的負担の軽減については,活動量計を用いた調査およびアンケート調査票による主観評価においても,負担軽減を明らかにできた.その一方で,介護職員の仕事に対する満足度,燃え尽きの度合いにおける改善については有効か改善がみられなかった.その理由をスタッフにインタビューしたところ,運悪く,インカムマイク導入直後に,複数の職員が退職した結果,インカムマイク導入後に少ない職員体制を強いられたことが原因として指摘された.インタビューした職員からは,インカムマイクの導入がなければ,もっとストレスが大きかったと考えられるというコメントは得られたが,予期せぬ現場での職員体制の変化が当初予定していた結果に若干影響した点は否めない.課題を挙げるとすれば,本来,改善効果の把握が期待できたこれらの指標において,調査対象とした施設における介護体制の変化に起因して,十分な結果が得られなかった点である.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる今年度においては,インカムマイク導入に伴う介護職員のストレスの変化に着目して,より実証的なデータを加味して,分析を行う考えである.その方法として,ベンチャー企業によって開発された新しいウエアラブル機器を用いて,ストレスを慢性ストレス,急性ストレス,肉体ストレス,精神ストレス,良いストレス,悪いストレスの6つに区分可能な技術の導入を行いたい,同ウエアラブル端末は,3次元動作にくわえて,心拍,体温,血流,血中酸素濃度も測定可能であり,それらの値の分析を通じて,インカムマイク導入に伴う効果の検証を行う.
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Causes of Carryover |
2018年度は,岐阜県の2か所のインカムマイク導入施設で調査を実施した.当初は,それぞれ個別に訪問して調査を行う予定であったが,同一法人であったため,法人間で調査がスムーズに進むように調整していただけた.そのため,岐阜県の2か所の施設を同一日程で訪問して調査を行うことができた.その結果,当初見込んだ予算を使わずに済んだためである.2019年度はウエアラブル端末により,介護職員のストレスを詳細に測る予定であり,その部分に使用する計画である.
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Research Products
(2 results)