2017 Fiscal Year Research-status Report
中小自治体の景観計画策定過程における住民参加と計画内容に関する研究
Project/Area Number |
17K06709
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 猛 九州大学, キャンパス計画室, 教授 (30253496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 隆文 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (00232067)
Prasanna Divigal 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70597997)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自治体 / 景観計画 / 策定過程 / 住民参加 / 計画内容 / 景観法 / 景観行政団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
景観計画策定体制について、構成員の構成により、(1)景観計画策定委員会等の会議 (主に学識経験者、議員、関係行政機関、関係自治体、事業者、公募住民等多分野の委員より構成されている最も多いタイプ)、(2)ワークショップ等の会議 (会議を取りまとめることを担当する進行役以外は、半数以上が公募住民からなるタイプ)、(3)庁内会議 (政策との整合や方向性を確認するための庁内関係部署の職員等からなるタイプ)の3種類に分類した。つぎに、住民の参加度合による分類、策定期間と開催回数、会議タイプ別の開催目的、構成員の分野と平均人数、移行・新規との関係、景観法施行以前から自主条例等による景観施策を講じていた移行自治体、景観法施行後に新たに景観施策を始めた新規自治体の別に、多様型、公募住民主体型、庁内型別の検討体制の特徴を示した。 また、景観計画に関する住民参加の実態(住民参加の活動、参加体制別の自治体当たりの活動回数、計画構成への反映)について、計画の策定に至るまでに行った住民参加の手立ての種別、パブリックコメント、説明会、広報誌・回覧版による周知などについて分析した。さらに、住民参加の実績から計画への反映された項目では、景観特性の把握、目標とする景観像、景観形成の基本理念、重点区域、良好な景観の形成に関する方針、景観形成基準などをあげ、会議タイプ別にその傾向を明らかにするとともに、公共性の高い重点区域の指定への効果や、住民参加の効果が顕著な事例について考察した。 計画内容への効果に関する次年度の現地調査を先行実施するにあたり、景観計画に関する意見交換を行うとともに、試験的に逗子市役所景観まちづくり課のヒアリング調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
景観計画策定体制について、構成員の構成により、(1)景観計画策定委員会等の会議 (主に学識経験者、議員、関係行政機関、関係自治体、事業者、公募住民等多分野の委員より構成されている最も多いタイプ)、(2)ワークショップ等の会議 (会議を取りまとめることを担当する進行役以外は、半数以上が公募住民からなるタイプ)、(3)庁内会議 (政策との整合や方向性を確認するための庁内関係部署の職員等からなるタイプ)の3種類に分類した。つぎに、住民の参加度合による分類、策定期間と開催回数、会議タイプ別の開催目的、構成員の分野と平均人数、移行・新規との関係、景観法施行以前から自主条例等による景観施策を講じていた移行自治体、景観法施行後に新たに景観施策を始めた新規自治体の別に、多様型、公募住民主体型、庁内型別の検討体制の特徴を示した。 また、景観計画に関する住民参加の実態(住民参加の活動、参加体制別の自治体当たりの活動回数、計画構成への反映)について、計画の策定に至るまでに行った住民参加の手立ての種別、パブリックコメント、説明会、広報誌・回覧版による周知などについて分析した。さらに、住民参加の実績から計画への反映された項目では、景観特性の把握、目標とする景観像、景観形成の基本理念、重点区域、良好な景観の形成に関する方針、景観形成基準などをあげ、会議タイプ別にその傾向を明らかにするとともに、公共性の高い重点区域の指定への効果や、住民参加の効果が顕著な事例について考察した。 計画内容への効果に関する次年度の現地調査を先行実施するにあたり、景観計画に関する意見交換を行うとともに、試験的に逗子市役所景観まちづくり課のヒアリング調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
景観計画策定にかかる各会議タイプの典型事例を選定し、eメール及び電話で事前ヒアリングを行う。そのうえで、景観計画策定に関する面接と現場視察を実施する。現地に行き、特に公共性の高い重点区域に関して確認するとともに、(1)自治体の景観計画の運用担当者、及び(2)景観計画の策定にかかわった住民代表またはまちづくりのキーパーソンへヒアリングを行い、参加した時の議論の内容やその後の対応について意見を聞き、検討体制と内容の効果に関する考察を加える。具体には、(1)景観計画の策定過程における住民参加の実際、(2)策定した景観計画の運用面への会議タイプ別にみる影響、(3)特に公共性の高い重点区域に関して検討された内容、(4)公共性の高い重点区域の指定への効果、(5)住民参加の効果が顕著な事例、などである。
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Causes of Carryover |
研究分担者2名は、調査計画から分析まで協力していただいており、研究遂行に協力していただいているが、1名の逗子市調査日程の都合がつかなかったことによる。2018年度の調査に有効に使用したいと考えている。
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