2020 Fiscal Year Research-status Report
A study of the process and the methods of restructuring community facilities by multi-functionalizing and integrating them
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17K06723
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣田 直行 日本大学, 生産工学部, 教授 (00277394)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共施設再編 / 施設評価 / 再編プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までに,全国の施設再編状況に関するアンケート調査結果を基にした多機能複合化の実例調査を完了している。そこで明らかとなった課題と再編プロセスについて論文投稿の準備を進めている。結論として,①99.3%の自治体で再編計画が策定済であること。②再編の指標となるキーワードとして13に整理され,工事事例からはその内の「集約化・複合化・多機能化・拠点化」があること。③再編プロセスの課題として,計画策定の組織化,施設評価,教育委員会との連携,他計画との関連付けの4項目が挙げられること。④新築の複合化による多機能構成の傾向として,社会教育施設(公民館・図書館)+福祉施設(高齢者・児童)+行政施設の組合せであること。⑤未利用施設の再活用事例の傾向には,主に学校施設のリノベーションやコンバージョンが中心で,多機能複合化への選択が成されていること。としてまとめられた。 また,リノベーションの先進国であるオランダの施設事例調査やハブラーケン氏の研究データの収集も完了している。 今年度は,3つ目の課題として採り上げていた,「地域特性に応じた再編方法の類型化」について,千葉県を対象に,疎住地と密住地における再編方法の違いを求めた。特に,地域課題と施設評価の関係性に視点を当て,疎住地に必要とする施設評価項目と密住地に必要とする施設評価項目に分類してまとめている。 この結果を更に展開して,施設評価項目については,「先行自治体からみる施設の評価方法とその役割」と「地域特性の差異による施設評価の項目と方法の比較研究」として,2編の学術論文にまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年はコロナ感染症のため,調査を行っていない。 これまでの調査で,地域特性に応じた施設評価の設定に問題があることが分かっている。 調査対象としている自治体の「施設評価」の方法についてのヒアリング調査を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
若干の事例データを追加した上で,再編プロセスの事例データをまとめ,基本計画策定条件となる検討項目と既存施設の評価視点を整理する。特にリノベーションによる基本計画策定の支援ツールとなるよう取りまとめる。 また、疎住地と密住地や経済状況の格差など,地域特性に応じた再編の方法を類型化し,具体的な再編支援ツールとして示す。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症により,最後のヒアリング調査を控えたため。 次年度の研究計画に示したとおり,疎住地と密住地や経済状況の格差など,地域特性に応じた施設評価については,千葉県で完了しているものの,全国データは収集・分析の進行途中である。不足データの収集および分析結果についてのヒアリング調査を実施予定である。そのためのアンケート郵送費とヒアリングのための旅費に使用予定である。 最終的には,再編の方法を類型化し,具体的な再編支援ツールとして印刷物として示す。
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