2019 Fiscal Year Research-status Report
公立文化ホールを長期使用するための方策構築に関する研究
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17K06725
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
勝又 英明 東京都市大学, 工学部, 教授 (00257106)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公立文化ホール / 活性化 / 長期使用 / 劇場法 / 維持管理 / 長寿命 / 改修工事 / 老朽化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前年度までの調査結果を受けて、公立文化ホールの長期使用するための方策構築のためにヒアリング調査、アンケート調査を行った。 長期利用されているホールの視点からは、既に長期使用されている(開館から45年以上経った)公立文化ホールに対して長期使用につながる要因を文献、アンケートにより調査した。公立文化ホールを長期使用していくためには、施設面で利用者を意識した設計、点検による設備異常の把握、経年による設備機器の劣化に対する定期的な改修、舞台三設備の更新、運営面では教育機関との連携、地域団体とのイベント活動、専門的人材の育成、確保と職員の資質を向上させることがホールの長期使用につながっていくことが明らかとなった。 舞台技術関連設備の視点からは、舞台技術関連会社による公立文化ホール長期使用のための方策についてヒアリング調査を行った。建物内の舞台技術関連設備は、建築自体よりも寿命が短く、それぞれに寿命が決まっており、適切な時期に点検・改修が行われることがホール自体の長期使用の条件となる。舞台技術関連会社の方が公立文化ホールの長期使用のために要望したいことについて明らかにした。 活性化の視点からは、公立文化ホールにおける活性化に関する調査を、活性化している、かつ、稼働率の高い 17 施設を選定し、2018 年 8 月から 2019 年 12 月にかけてヒアリング調査を行った。調査内容は建築計画的要因、都市的要因、劇場法的要因視点から分析を行い、それぞれの実態把握を行うことで、活性化に有効な要因の傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本学世田谷キャンパスが昨年の台風の内水氾濫による被害のため、大学研究施設の復旧に時間がかかったため研究が2019年度まで持ち越した。 「公立文化ホールを長期使用するための実態の把握」、「公立文化ホールの閉館の要因の実態の把握」、「公立文化ホールを長期利用するための改修工事」、「公立文化ホールの移動観覧席の利用実態と活用」については、ほぼ調査を終了している。「公立文化ホールを長期利用するための活性化の方策」、「公立文化ホールの長期利用されている要因の実態の把握」については、今後も調査が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、公立文化施設や舞台技術系会社に対して、アンケート調査、ヒアリング調査・実態調査を行った。分析作業はかなり進み、日本建築学会には中間報告を発表した。2020年度にさらに、ヒアリング調査・実態調査を行う予定である。最終年であるので分析・考察も進める予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に行う予定であったヒアリング調査、実態調査が本学世田谷キャンパスの浸水被害のため約半数しか実行できなかったため、実態調査の費用が2020年度に繰り越される。 2020年度には、主にヒアリング調査、実態調査と分析、考察のために使用する予定である。
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