2019 Fiscal Year Research-status Report
Open Space Management through PPP in UK and US
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17K06727
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
坂井 文 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (80401701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | BID / NPO / エリアマネジメント / 公園再整備 / 地域再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、少子高齢社会における公共施設の整備と管理運営における官民連携のあり方を議論するために、特に英米で展開されている公園緑地の整備と管理運営をすすめる官民連携の手法を明らかにし、わが国の萌芽的な取り組みを把握したうえで、今後の展開について議論することを目的としている。 当該年度は、米国ですすめられている官民連携による公園緑地マネジメントの運用手法と財源を調査した。 まず米国の大都市で進められている、大都市中心部における多様なBIDによる公園マネジメントのあり方について調査した。米国におけるBIDによる公園の管理運営はブライアントパークの事例が有名であるが、地域の特性によってはNPOとBIDの協働による取組みが行われていることに着目した。公園を中心としたエリアにBIDを設置しながらも、公園部分についてはNPOの管理運営とすることにより、財源確保の手法を多様にすることや、役割を分担しながらエリアマネジメントを展開していることが明らかになった。また、NPOの形成の主旨の細微な違いは、公園再整備を契機として形成された経緯と、エリア全体の衰退を契機にした地域再生のために形成された経緯にあること、また管理運営の対象としている公園の空間構成の違いなどもNPO、BID、市の協働による公園マネジメントの異なる体制構築をしてきた要因になっていることがわかった。 次に地方都市におけるBIDの取組みが加速度的に進んでいることから、昨年度の東海岸の地方都市に続いて、西海岸の地方都市について調査を行う予定にしていた。しかしながら、2019年度の後半に予定していた現地調査はコロナ感染拡大のために実施できず、次年度に延長申請を行い認められたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の前半に実施した米国における現地調査の結果をまとめ論文として発表する用意をしているところである。他方、2019年度の後半に予定していた現地調査はコロナ感染拡大のために実施できず、やや遅れているという進捗状況となった。なお、後半に予定していた現地調査は次年度に延長申請を行い認められたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
米国のコロナ感染拡大の状況を見極めながら、2019年度のコロナ感染拡大のために実施できなかった米国の西海岸の地方都市への現地調査を行う。調査の具体的な内容としては、サンフランシスコ市やシアトル市等の官民連携による公園緑地マネジメントの取組みを①BIDと②NPOの主体別に着目し、その自主財源確保の取組みや市との協働の方策について、現地ヒアリング調査を通して明らかにする予定である。現地調査の実施については、可能であれば2020年度の夏に実施の予定であるが、コロナ感染拡大収束の状況によっては、年度末の3月に実施する。
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Causes of Carryover |
2019年度の後半に予定していた現地調査はコロナ感染拡大のために実施できず、次年度使用額が生じ、最終年度の延長申請を行い認められたところである。
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