2020 Fiscal Year Research-status Report
Open Space Management through PPP in UK and US
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17K06727
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
坂井 文 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (80401701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公民連携 / BID / 公共空間 / 管理運営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、少子高齢社会における公共施設の整備と管理運営における官民連携の在り方を議論するために、特に英米で展開されている公園緑地の整備と管理運営をすすめる官民連携の手法を明らかにし、わが国の萌芽的な取組を把握したうえで、今後の展開について議論することを目的としている。 これまでに英国で進められているBID(ビジネス・インプルーブメント・ディストリクト)による公共空間の管理運営について、また管理運営基金をもとに自主財源を確保し管理運営を展開しているトラスト組織の活動と仕組みについて明らかにした。ロンドンのオリンピック・パラリンピックの開催地ともなったクイーン・エリザベス公園においては、周辺都市開発の新規事業者や住民に対して設置しているパークチャージを、公園を含む公共空間の管理運営に充てている等の取り組みも進んでおり、新たな財源確保として着目した。 英国におけるBIDは米国での展開を参考にして導入した経緯があり、より取組みの進んでいる米国におけるBIDによる公共空間の管理運営について、BIDとNPO組織の連携に着目し、その実態について明らかにした。特にエリアに公園を含むBIDの場合、地域の活性化に向けた活動を行うNPO組織が、その財源確保のために公園周辺の商業地にBIDを設置する仕組みや、公園の部分はNPO組織が周辺の商業地はBIDがマネジメントしながらも連携する仕組みなど、立地と環境によって異なる組織運営がされていることがわかった。米国におけるBIDの取組みは全国各地の都市ですすんでおり、これまでの東海岸の諸都市を中心とした調査に対して、西海岸の諸都市における取組みを現地調査する予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度の1年間は新型コロナウイルス感染拡大のために世界規模で人流の制限があり、また研究機関においても海外への渡航は認められず、本研究のための現地調査を実施することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大、及び、ワクチン接種の状況を見極めながら、米国の西海岸の都市への現地調査を行う。調査の内容としては、サンフランシスコ市やシアトル市等の官民連携による公園緑地マネジメントの取組みを主体別に着目し、その自主財源確保の取組みや市との協働の方策について、現地ヒアリング調査を通して明らかにする予定である。現地調査の実施については、今後の新型コロナウイルス感染症拡大の影響とワクチン接収の進捗状況を鑑みながら検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度に予定していた現地調査はコロナ感染症拡大のために実施できず、次年度使用額が生じ、最終年度の再延長申請を行い認められたところである。 次年度は、新型コロナウイルス感染症拡大、及び、ワクチン接種の状況を見極めながら、米国の西海岸の都市のうち、サンフランシスコ市やシアトル市等の官民連携による公園緑地マネジメントの取組みを主体別に着目し、その自主財源確保の取組みや市との協働の方策について、現地ヒアリング調査を通して明らかにする予定である。
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