2018 Fiscal Year Research-status Report
Consideration of the guideline for effective assisted evacuation for nursery home in a high-rise building.
Project/Area Number |
17K06730
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐野 友紀 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70305556)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 避難 / 火災 / 高層建築物 / シミュレーション / 保育施設 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
○平成30年度 (3) 避難シミュレーションをもちいた高層建築物内保育施設の介助避難方法の検討・評価 実際の保育園における避難訓練調査データを基として、避難シミュレーションを実施した。具体的には、申請者らが開発した避難シミュレーションソフトウェア(SimTread)を用いて、高層建築物内の保育施設からの避難状況として、施設内避難、高層建築物全館避難を再現するとともに、他の避難者と避難時間をずらす順次避難、一時的に待機して救助を待つ一時避難待機場所の利用について、検討を行った。ここでは、新しい視点での避難方策を含んだ介助避難方法の検討・評価を行った。シミュレーションの試行にあたっては、当該分野の専門教員であるLund大学のEnrico Ronchi准教授、Canterbury大学のDaniel Nillson教授の専門的意見を聴取した。結果として、保育士による介助、補助を含む避難方法の再現が行えた。また、このシミュレーション手法を用いた施行により、園児を年齢別クラスごとにまとめて避難させるとともに、一旦待機して避難開始時間をずらす順次避難方法が有効であることが示された。 (実施行程)平成30年4月~平成30年9月 避難シミュレーション初期データの整理・考察、平成30年10月~平成30年12月 避難シミュレーション条件の確定、予備試行、本試行、平成31年1月~平成31年3月 避難シミュレーション結果の検討、まとめ
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、高層建築物内の保育施設を含んだ保育施設の防災安全計画を検討するために、以下の4点について、研究を行ってきた。その中で、昨年度は、一昨年度の(1)(2)の成果を基として(3)を実施した。また、当該シミュレーションの基礎データとするため、被験者を用いた実験を実施した。このように、研究内容は計画通りに進んでおり、概ね順調に進展していると判断している。 ・研究実施内容 (1) Web公開データをもとにした高層保育施設の実態の現状把握 (2) 高層保育施設の防災安全計画および避難訓練実態・保育士の避難誘導・介助方法の把握 (3) 避難シミュレーションをもちいた高層建築物内保育施設の介助避難方法の検討・評価
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Strategy for Future Research Activity |
・保育施設の防災安全計画のあり方の検討 高層建築物内に存する保育施設と現在一般的な戸建て2階建ての保育施設と比較することで、安全性の基準を明確化した上で、高層建築物内に存する保育施設の設置基準および防災計画のあり方を検討する。 平成29,30年度の成果をもとに、保育施設の設置場所に対応した防災安全計画のあり方を検討する。そのために、(1) 保育施設の実態の整理・考察、(2) 園児および保育者の避難能力の整理・考察、保育施設の避難実態の整理・考察(3) 避難介助シミュレーション結果による避難方策の検討・評価を含んだ考察をおこなう。 具体的成果は、ガイドラインとしてまとめ、日本建築学会などを通して、広く社会に広報してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
物品購入について、汎用的な物品(ビデオカメラ等)について、大学所蔵のもので代替が可能となったため、一部支出を減じた。この部分については、研究実施において必要が生じた別物品の購入に用いるものとする。なお、調査、分析に対して、補助者謝金が想定以上に必要である見込みであることから、必要に応じて、当該謝金への振り分けも行う予定である。加えて、国内外の学会等での発表費用について、前年度の執行を見送ったが、最終年度の本年度に執行予定である。
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