2017 Fiscal Year Research-status Report
非居住住宅の適正管理と地域住民組織によるコミュニティビジネスへの展開に関する研究
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17K06738
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 陽子 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (70457133)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非居住住宅 / 地域 / コミュニティビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は非居住住宅と地域住民活動の実態を把握するため、調査対象地である奈良市内の地区について、現地踏査と連合自治会長との会合を行った。また、奈良市東部地域とならまち地区で実施されている空き家バンクの活用状況から、所有者・利用者の傾向を分析し、賃貸希望の利用者が多いこと、しかし所有者は売却希望であることのズレが確認され、非居住住宅流通の課題を検討した。空き家管理を地域で行っている事例なども収集し、管理方法や業務を行う上での課題についても検討を行った。さらに、奈良市内の居住者に対し地域活動への参加・関心度について調査を行い、空き家分布との関連の分析を進めている。 海外事例として、地域衰退から再生したポーランド・ウッジ市とチェコ・オストラバ市への調査を実施した。主な取り組みとしては、旧市街地の歴史的建物の保全、緑空間、公共交通の整備などハード面での整備と、住民への働きかけ、コミュニティの維持などソフト面からの整備が進められている。都市整備として産業遺産の活用も行われており、ウッジ市では工場を活用した複合施設へ、オストラバ市では炭鉱をミュージアム化し、屋外施設も整備した観光拠点としている。これらの事業にはEUからの補助が投入されており、インフラ整備、旧市街地の改修、リノベーションに活用されている。両都市とも今後も再開発を予定しているが、EUの補助金からの自立が課題とされている。 次年度に向け、コミュニティビジネスとして空き家管理に取り組んでいる団体の事前調査と、調査対象地の各自治会長への調査説明を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査協力地である奈良市大安寺西地区の自治会長改選や新駅開設などのため、準備が少し遅延している。 しかし、会長の改選などについては事前に連絡を取っていたため、すでに新自治会長、連合自治会長との打ち合わせを完了させ、本調査へのご理解とご協力を承諾して頂き、随時調査を進行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も対象地域との連絡を密にし、課題が発生した際には早期に対処する。 現在は特に問題は発生していないため、研究協力者も含め着実に遂行できるようにする。 調査計画の変更は予定しておらず、当初の予定通り進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初の所要額よりも今年度の使用額が少なくなったのは、今年度実施した海外事例調査において、現地のコーディネートと同行通訳が予定額より安価に実施できたためである。 当初はイギリスへの調査を予定していたが、イギリスでの調査依頼が難航し、予備案として検討していたポーランド・チェコでの調査を行うこととした。そのため、現地の物価等の関係で、調査経費(謝金)を抑えることができた。 発生した繰越金については次年度(2018年度)に予定しているドイツ調査に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)