2018 Fiscal Year Research-status Report
非居住住宅の適正管理と地域住民組織によるコミュニティビジネスへの展開に関する研究
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17K06738
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 陽子 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (70457133)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域住民組織 / コミュニティ / まちづくり協議会 / 非居住住宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は調査対象地域(奈良市大安寺西地区)において、毎月の定例会への参加などの参与観察とともにアンケート調査を実施した。 定例会では大安寺西地区の自治会約30地区の代表者が集まり、市・警察・消防などの行政団体からの連絡事項や地域の状況について情報共有を行っている。その中では自治会への加入減少、若年世帯の動向、空き家などについても意見交換が行われ、これらの課題について次年度設立予定のまちづくり協議会でどの部署が担当するのが適切か、など将来構想も検討されている。 アンケートは地域住民のコミュニティビジネスへの理解と協力について把握することを目的とし、さらに対象地域が次年度よりまちづくり協議会と発展するため、その認識や設立経緯を住民がどの程度把握しているのか、またその後の活動の資料となった。調査概要は以下の通りである。調査日時:2018年8月、調査対象:奈良市大安寺西地区の住民3600世帯、回収数:1657票(回収率:46.0%)。これらより、コミュニティビジネスについては認知度が低く、空き家管理を地域で行うことについてもまだまだ理解されていないことが明らかになった。これらの成果は2019年3月に地域住民に報告書として提出し、今後更に分析を進め学会等で発表する予定である。 非居住住宅の管理手法については全国の事例を収集し、これらを分類している。 また、海外の事例としてドイツでの調査を行った。今年度は人口規模の小さな都市での取り組みを中心に、空き家の状況と地域住民の関わり、コミュニティビジネスへの展開可能性について調査を行い、示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非居住住宅を地域で管理するためにはその運営主体が必要である。その主体となるまちづくり協議会設立の過程を観察でき、地域住民の動きを把握できている。 また、コミュニティビジネスの必要性と可能性を地域住民も認識し始めており、次年度の活動に組み込まれる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるためこれまでのまとめと、コミュニティビジネスの始動期における課題の抽出を行う予定である。 引き続き参与観察を行い、担当地域におけるヒアリング調査と先行事例の調査を行う。
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Causes of Carryover |
年度末に必要な文具(コピー用紙、トナーなど)購入のため経費を残しておいたが、予算より安価で購入することができたため残額が生じた。 この費用は次年度の物品購入費として使用する予定である。
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