2017 Fiscal Year Research-status Report
アジア庭園基礎研究3ーベトナム民家庭園における自然観の表現と空間形態に関する研究
Project/Area Number |
17K06743
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三谷 徹 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (20285240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
章 俊華 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (40375613)
鈴木 弘樹 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50447281)
大野 暁彦 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 講師 (00758401)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ベトナム / 庭園 / 建築 / 扁額 / デザイン / 形態 / 都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は調査開始のための準備現地調査を行った。第一回調査:日時、2017年8月11日―15日。調査対象エリア、ダナン市、フエ市、および周辺部。調査員、鈴木弘樹・大場直人。 調査対象地: 宮廷帝廟については2件調査。(1)トゥドゥック帝廟:ランドスケープ(良好)/建築(良好)/文学表象(複数有)。(2)ミンマン帝廟:ランドスケープ(良好)/建築(良好)/文学表象(複数、詳細不明)。民家庭園については7件を当たることができ次の結果を得た。(1)名称不詳住宅:ランドスケープ(現況荒廃、調査不能)/建築(調査可)/文学表象(有)。(2)An hien:ランドスケープ(良好)/建築(良好)/文学表象(有、状態不明)。(3)名称不詳住宅:ランドスケープ(不良)/建築(調査可)/文学表象(有、状態不明)。(4)Cong Trine:ランドスケープ(調査可)/建築(不良)/文学表象(不明)。(5)名称不詳住宅:ランドスケープ(不良)/建築(調査可)/文学表象(有、良好)。(6)Tung-thien Vuong:ランドスケープ(調査可)/建築(不明)/文学表象(不明)。(7)楽静園:ランドスケープ(不良)/建築(不明)/文学表象(不明)。 その後、国内での既往研究の再度洗い直しと、現地調査に協力してくれる研究者として奈良まちづくりセンター吉積巳貴准教授と連携を図るため、2018年度の調査に向けて準備を整えた。一方で、上記第一回調査で連絡を取ることが可能となった、Hue Monuments Conservation Center, Department of Cooperation and External Affairsの現地管理者との次年度に向けての準備を整えることが可能となった
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度進捗は、いまだ調査対象のデータ化、解析に及んでいないが、研究進捗の準備段階としては成果があり、全体として順調な進捗と言える。本研究のうち住宅庭園は、先行調査、研究事例の少ない庭園を対象としているため、調査対象地フエの都市状況と、現存する都市住宅の保全状況の把握から始めている。2017年度の第一段階調査では、宮廷帝廟の現地調査と並行して、都市住宅庭園の現況把握につとめたが、以下の作業に集中し、測量調査に入ることは待機した。理由のひとつは、庭園、住宅保有者との良好な関係を築くことが先決であり、訪問と挨拶、研究意図の説明に加えて、実態把握、改築の経緯、現在の管理状況に時間を費やしたことである。もう一点の理由は、本格調査に先立って、現地における既存の調査研究を公開してくれる協力者がみつかったため、その協力者との連携、情報高簡易時間を費やし2018年度調査に向けて準備を進めたためである。 以上より、第一回準備調査とその後の体制づくりは順調に進んだと考えられ、2018年度の第二段階に進める状況になっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、昨年度の準備段階を経て、いくつかの庭園で実測調査に入るつもりである。それを第2回調査とする。日時:4-5月の時期を予定。場所:フエ市都市部および周辺部。調査員:研究者、三谷徹、章俊華、鈴木弘樹、大野暁彦、Sun,Bingingxunmr、Hu,Jiacheng。 調査内容:1)建築実測グループ(鈴木弘樹+Sun,Bingingxunmr):既往研究で明らかとなっている建築平面形式の確認と再調査。これまでにない断面方向の詳細実測と開口デザイン、ディメンジョンの把握。2)庭園実測グループ(三谷徹+大野暁彦):既往研究が庭園要素配置の概念図にとどまっているため、実測による平面形態把握と実測データの収集。3)文学表象調査グループ(章俊華+Hu,Jiacheng):庭園の理念を表象する扁額、対聯などの有無、数量および内容の記録。 調査対象は、現地調査員が調査可能としてくれた以下の住居庭園を中心に行う。 1)Xuan Vien Tieu Cung, Kim Long. 2) An Lee Vien, Kim Long. 3)Nha Thay Nguyen Huu Thong. 4)Nha Vien, Kim Long. 5)An Hien, Kim Long. 6)Cat Tuong, Kim Long. 第2回調査は上記住宅庭園調査を中心とし、そのデータの整理と分析方法の構築を試みたのち、可能であれば補足調査として冬季の第3回調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
2017年度は研究の準備調査、文献調査を中心に行い、今後の現地での調査、研究を円滑に進めるための期間とした。次年度以降、集中して現地での調査を行なう予定であるため現地調査とその準備費用として必要分を確保する。
|