2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06744
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 鯛介 東京工業大学, 博物館, 教授 (10313339)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神楽 / 神楽殿 / 江戸東京 / 東京 / 都市 / 近代 / 江戸後期 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、東京都内で最も神社数および神楽殿の件数が多い大田区を対象に、神楽殿の現存状況についてアンケート調査を実施したが、アンケートの回答率が半数以下と低かったことからその要因を分析し、以下の課題を抽出した。 1)宗教施設である神社は、学術目的のアンケート調査に関心が低い(軽視しがち)。 2)大田区は宮司不在の小さい神社(兼務社)が多く、氏子が管理しているものが多いため、問い合わせ先を再検討する必要がある。 3)複数の神社を抱える宮司は多忙であり、アンケートに答える余裕がない。 4)神楽殿は、神事/祭礼の二面性を持つ施設であるが、その点が神社側の認識と一致しておらず、本殿・拝殿などの参拝施設に比べ、神楽殿は文化財的な重要度の認識が低く、関心も低いと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国家神道体制であった昭和戦前までは神社関係文書が公文書館に保管されており、歴史研究を概ね予定通りに進めることができた。一方、民主主義体制に変わった戦後についてはそうした公文書が保管されていないため、研究の当初から個別神社へのアンケートで情報収集を行う方針で研究を進めたが、上記(設問5)のように、宗教施設である神社に悉皆調査アンケートは不向きであることが判明し、研究方法を再検討する時間を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、当初予定していた都内一律のアンケート実施方法を見直し、地域を限定した上で地元の教育委員会の協力を得て「文化財調査」として神社に調査への協力を依頼し、了解が得られた神社を対象に聞き取り調査を実施することとした。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、パイロット調査の結果、当初予定していた23区内の悉皆アンケート調査が研究遂行上、適切ではないということが判明し、それに伴い23区内すべての神楽殿を現地調査することも見直すことになったためである。 今年度の使用計画は、当初の予定通り物品費、謝金、その他経費を使用するとともに、旅費については調査対象を23区から都心部2区(千代田区、中央区)および南西部4区(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)に変更することに伴い減額が予想されることから、その一部を調査過程で収集した資料のデジタル化(その他経費)に廻すことを予定している。
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Research Products
(1 results)