2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06744
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 鯛介 東京工業大学, 博物館, 教授 (10313339)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神楽殿 / 江戸東京 / 都市 / 近代 / 荏原郡 / 合祀 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、コロナウィルスの感染拡大により現地調査が不可能であったことから、文献中心の調査を実施した。 文献調査では、初年度の文献調査で明らかになった明治・大正期における東京の神楽殿に関する地域的傾向をふまえ、特に顕著な傾向が見られた郊外南西部の旧荏原郡(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)を対象に、そうした傾向を生んだ要因をその背景にある神社行政との関係において捉えることを目的に、地域内のすべての諸社の合祀の実体を確認し、神楽殿を持つ神社がそれぞれの地域において比較的規模の大きな神社であり、その多くが合祀を免れていたことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査方法を文献調査に限定し、明治大正期の荏原郡の神社に関する資料を東京都公文書館で悉皆蒐集したところ、合祀されて現在は存在しない神社の実体(神楽殿の有無)を把握することができた。また、対象地域を荏原郡に限定したことで、神社行政との関係もより明確に把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、各年度の調査結果をふまえ、近代の東京における神楽殿の持つ地域的特性について、件数の多く見られた荏原郡を中心に分析を行い、その背景である神社行政のあり方との関係について考察を加え、神楽殿が建設された神社に見られる傾向について明らかにすることを目標とする。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大により調査期間中に調査方法を一部変更したことにより、調査結果のとりまとめに予定以上の時間が必要になったため。予算残額は今年度のとりまとめにかかる消耗品費、印刷費に使用する予定。
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