2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on the influence that the architectural exhibition and design exhibition of the Museum of Modern Art, New York gave to Japan
Project/Area Number |
17K06750
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
山崎 泰寛 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (50795010)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 建築展 / ニューヨーク近代美術館 / コレクション / キュレーター / ドローイング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度までにニューヨーク近代美術館(MoMA)のアーカイブズにて実施した調査の継続と平行して、これまでに得られた知見の出版を目指した作業を実施した。新型コロナウィルスによる移動制限のため現地調査を実施することができなかったため、調査の継続は文献資料の収集と読解、また、研究者間の議論に充てることとなった。特に、一般的に建築展を構成する展示物である図面(ドローイング)のMoMAの資料群を研究したジョルダン・カウフマン『建築におけるドローイング:オブジェとしての線:1970-1990』Jordan Kauffman, Drawing on Architecture: The Object of Lines, 1970-1990, The MIT Press, 2018を通じて、展覧会におけるドローイングの扱いが変化したとされる1970年代以降の建築展について貴重な知見を得た。昨年度までの調査で、MoMAにおける日本人建築家のコレクションが1980年代を待たねばならないことが明らかになったが、これを裏付けるものでもある。 なお、出版については、建築物を社会的構成物と捉えるエイドリアン・フォーティの立場を援用し、建築を支える都市・技術・政治・文化・メディアの各視点から近代建築の100年を編著者のひとりとしてまとめることができた。特にメディアについては、一般的に研究対象とされる出版物や印刷物の歴史にとどまらず、多様な空間体験のなかで建築的論点を示す建築展の独自性に触れることができた。専門書でありながら一般書としても読みやすい体裁としたため、研究成果の社会的還元としても意義があった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症対策による移動制限のため、現地調査ができていない。しかし、研究成果の公表に進めたことから一定程度の成果はあったといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究課題の最終年度を迎え、これまでの研究成果のまとめに進む。一方で日本人建築家の作品コレクションの整理にはまだ調査が必要であるため、追加調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる移動制限のため、ニューヨーク近代美術館での調査ができずに延長を申請したため。今年度は新型コロナウイルスの影響を鑑みつつ、 調査を実施する予定である。
|