2022 Fiscal Year Annual Research Report
The role a model school in school architecture achieved after the war
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17K06762
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Research Institution | Kyoto Kacho University |
Principal Investigator |
川島 智生 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (60534360)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モデルスクール / 新制中学校 / 小学校 / 鉄筋コンクリート造校舎 / 建替え / 標準化 / 統廃合 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究は本研究の総括として、モデルスクールの制度についての歴史的検証をおこない、論考「モデルスクールの意義と果たした役割」を記した。本研究は全体をとおして、建築学的に空白のままにあった戦後の学校建築の全体像と意義について、文部省が昭和20年代後半期に設定したモデルスクール制度という補助線を引くことで位置付けをおこなった。 まずモデルスクールの制度とその時期、この制度により完成した計192校の小中学校の特定をおこない、実現した校舎の建築内容を特徴付けた。調査の手法は1つは2017年時に現存した11校の現地調査であり、もう1つはすでに解体済みの181校の学校の文献調査である。前者はすべての校舎を対象に内部調査をおこない、平面計画・構造・意匠の特質を探った。また関連機関を対象に、図面や写真などの資料調査を実施し、設計者の特定や文部省標準設計との関連などを検証した。後者は文献調査をおこなった上で要となる学校の現地調査を実施し、各種の資料の調査をおこなった。 次に実施したことは非モデルスクールの校舎の研究である。調査対象の選定は1950年代の建築専門雑誌への掲載から選び出した。研究の方法はモデルスクールと同様におこなった。現地調査では取毀が迫っており、緊急性の高いものから優先的に実施した。 研究から得られた成果は文部省が推進した標準設計による鉄筋コンクリート造校舎がモデルスクールを出発点として全国各地に成立していったことが確認された。その結果、昭和40年代には小中学校で木造から鉄筋コンクリート造へと校舎の主流が変わったことも解明された。一方で円形校舎などの特異な事例や遠藤新・松村正恒・吉阪隆正などによる実験的な校舎が出現していたことも戦後の学校建築の特徴であることがわかった 研究成果は雑誌『文教施設』に発表した11本の論考がある。
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Research Products
(2 results)