2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring novel properties of atomic layers via controlled interface-reduction of graphene oxide under microscopic observations
Project/Area Number |
17K06769
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
藤川 安仁 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70312642)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | グラフェン / 走査トンネル顕微鏡 / 光電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化グラフェンのPt(111)表面上における熱還元過程の詳細なPEEM観察を行い,清浄表面に対して酸化グラフェンを直接展開した表面においては,仕事関数が大きいため暗く観察される酸化グラフェンの領域からの光電子放出が見られないまま940 ℃で分解に至ってしまうのに対し,酸化グラフェンの展開前にC60分子を0.36 ML蒸着した試料においては,870 ℃で酸化グラフェン領域の一部に光電子放出量の増大が見られた後,970 ℃の加熱で酸化グラフェン部においては多層酸化グラフェンの分解,その周囲ではエピタキシャルグラフェンの分解が起こり,酸化グラフェンの領域のみ還元された単層グラフェンが残るという結果が得られた。さらに加熱の過程において試料を一旦冷却しSTM観察をした結果,C60による炭素の供給を行わなかった試料においては,酸化グラフェンの分解温度である940 ℃のアニール後の観察で白金が露出している領域と酸化性の官能基の除去が進まないまま中途半端に還元された酸化グラフェンが混在している構造が観察され,炭素供給が不足する条件下では還元が完全に進行しないというPEEM観察の結果を裏付ける結果が得られた。また,C60供給を行った試料においては,870 ℃において平坦な還元酸化グラフェン(rGO)が形成している事を示す像が得られ,炭素供給により酸化グラフェンの完全なグラフェン化が進行していることが示されている。また,並行して白金上に形成したグラフェン膜の詳細な観察を行った結果,金属表面上におけるグラフェンの形成により外部の空準位電子状態の寿命が大幅に増大する可能性を強く示唆する実験結果を得た。
|
Research Products
(2 results)