2020 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of martensitic transformation induced by tempering of Ti-X-7Al alloy.
| Project/Area Number |
17K06773
|
|---|
| Research Institution | Okayama University |
|---|
Principal Investigator |
竹元 嘉利 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60216942)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | マルテンサイト / 焼戻し / 熱応力 / 熱伝導率 / 逆変態 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
Ti-10mass％Mo-7mass％Al合金を真空中1050 ℃から水冷し，引続き450～550 ℃の塩浴で3～5秒の焼戻しで形成するα"マルテンサイトの生成条件を調査した．α"マルテンサイトは塩浴等を用いた急速加熱中に形成され，試料が薄い条件では形成されなかった．550℃焼戻しまでの温度差の影響を調べるため，水冷材を200 ℃-5秒で予加熱を行い，引続き550℃-3秒で焼戻すとα"マルテンサイトの生成は著しく減少した．なお，予加熱を300 ℃-3秒とすると，その後の550 ℃の焼戻しでα"マルテンサイトは全く生成しなかった．一方，温度差を稼ぐために，液体窒素から直接250 ℃の塩浴に焼戻ししてもα"マルテンサイトは形成されなかった．したがって，α"マルテンサイトの生成条件は，板厚が1mm以上ある試料で，350 ℃以上の焼戻し温度に急速加熱することである．各熱処理材の断面組織を観察すると，1050 ℃からの焼入れ材とサブゼロ処理材では，α"マルテンサイトは試料内部に生成しており，試料表層部にはほとんど存在しなかった．逆に550℃焼戻し材では試料表層部にだけα"マルテンサイトは生成し，試料内部にはほとんど観察されなかった．熱処理時に生じる熱応力を有限要素によって計算した結果，板厚2mmあるいは1mmの試料を450℃の塩浴に投入すると，それぞれ約55MPaと36MPaの圧縮応力が表面に生じることが分かったが，室温での加工誘起変態応力（約250MPa）と比較するとかなり低めであった．この現象が発現する合金の熱伝導率は，花崗岩程度の低い値（4.85 W/m・K）であるため，熱応力が発生しやすい．
|
