2021 Fiscal Year Research-status Report
Invention of anomalous antiferromagnetic states in Heusler compounds
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17K06774
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| Research Institution | Kagoshima University |
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Principal Investigator |
廣井 政彦 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (80212174)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 出 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30370050)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 反強磁性 / ホイスラー化合物 / 磁気相図 / 比熱 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度、主に研究対象にした物質は、ホイスラー化合物Fe3-xMnxSi（0.75 < x < 1.7）である。この物質は、強磁性転移が起き（転移温度TC）、さらに低温で強磁性成分を持った反強磁性的相への転移(この反強磁性的相をAF相、転移温度をTA、と呼ぶ）が起きることが従来から知られていた。これまでに行った我々の研究で、磁化と比熱の測定により、x = 1.7の試料では、これら2つの転移に加え、さらに低温で新たな反強磁性転移があることを見出していた（この反強磁性的相をAF2相、転移温度をTA2、と呼ぶ。なお、TA2 < TA < TCである）。本年度は、その結果を解析しまとめ、論文として出版した。
その時の解析から、x = 1.7では、比熱と磁化率の温度変化で、相転移を示す変化のある点の温度が一致しており、確かに3つの相転移があることが結論された。また、3つの転移を示すのは おおよそ、1.65 < x < 1.75の狭いxの範囲の試料であること、x > 1.75では、零磁場では、強磁性転移は消失し、常磁性から直接、反強磁性相（AF2相）に転移しているが、高磁場では常磁性からAF相への転移が起き、さらに低温でAF2相への転移が起きること、などが結論された。また、磁場中磁気相図のxによる変化を明らかにした。これらは、長年、知られてきたFe3-xMnxSiの磁気相図を変更するものであり新しい知見である。さらに、AF2相は初めて存在が明らかになった相であり、低温では、磁場変化により大きなヒステリシスを伴うメタ磁性的な転移を示すなど、興味深い現象がみられるので、その性質を明らかにすることは今後の課題である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響や、それによる移動制限のため、学内学外で予定していた実験的研究は十分にできなかった。また、成果発表を考えていた国際学会も開催が次年度に延期になった。そのため、本研究において計画していたことは、あまり実行できなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、コロナ禍の影響により進捗が遅れたため、次年度まで延長することになった。本研究では、ホイスラー化合物の特異な反強磁性として、Fe3-xMnxSiのx = 1.7付近で、新たに発見された反強磁性相について調べている。磁気相の性質や磁気相互作用について解明するため、その圧力効果を調べることで本研究の区切りとしたい。いくつかの圧力で磁化を測定し、磁場中磁気相図を明らかにし、ｘを変えた場合と比較することにより、磁気相や相互作用の性質についての情報を得る。また、国際学会などで、これらの結果を発表する予定である。
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| Causes of Carryover |
本年度は、コロナの影響が続いたため、参加を予定していた国際学会が、次年度の延期になった。また、実施予定だった学外での実験も中止になり、次年度に行う予定である。従って、基本的には、本年度に予定していたことは次年度に実施する予定なので、それらのためのの準備、参加・実施に必要な、消耗品費や旅費などに使用する。
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