2018 Fiscal Year Research-status Report
Research of new Sm-Fe magnetic phases
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17K06776
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 哲治 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10296311)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急冷凝固法 / 希土類磁石 / 磁気特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新しいSm-Fe系磁性相を探求することを目的とした研究であり、Sm-Fe系合金状態図に存在しない準安定相の探求を急冷凝固法で行っている。昨年までの研究により急冷凝固法で作製したアモルファスのSm-Fe系合金急冷薄帯に適当な熱処理を施すことにより、Sm-Fe系合金状態図に存在しないSm5Fe17磁性相やSmFe12磁性相などの準安定相が得られることがわかってきた。また、Sm-Fe系合金状態図に存在するSmFe3相も磁性相であり、高い保磁力を示す可能性があることもわかってきた。本年度は更なる新しい準安定相の探求と、SmFe12磁性相およびSmFe3磁性相の磁石化を試みた。まず、新しいSm-Fe系磁性相の候補としてSmFe5磁性相の探求を急冷凝固法で試みた。また、急冷凝固法で作製した準安定相であるSmFe12磁性相の磁石化を放電プラズマ焼結法で試みた。急冷凝固法で作製したアモルファスのSm-Fe系合金急冷薄帯を原料として放電プラズマ焼結法で固化成形を行うと放電プラズマ焼結時に熱処理による結晶化と緻密化が同時に起こり、目的とするSmFe12磁性相からなる磁石が作製できることがわかった。得られたSmFe12磁性相からなる磁石は5kOe程度の保磁力を示すこともわかった。また、急冷凝固法で作製したSmFe3相の磁石化も同様に放電プラズマ焼結法で試みた。急冷凝固法で作製したアモルファスのSm-Fe系合金急冷薄帯を原料として放電プラズマ焼結法で固化成形を行うと目的とするSmFe3磁性相からなる磁石も作製できることがわかった。得られたSmFe3磁性相からなる磁石は10kOeを超える大きな保磁力を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいSm-Fe系磁性相としてSmFe5磁性相が急冷凝固法で作製できることを見出した。また急冷凝固法で作製したアモルファスのSm-Fe系合金急冷薄帯より高い保磁力を有するSmFe12磁性相やSmFe3相からなるSm-Fe系磁石が放電プラズマ焼結法で作製できることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
準安定相であるSmFe5磁性相が急冷凝固法で作製できることがわかったので、SmFe5磁性相およびSmFe12磁性相の高保磁力化の研究を行う。また、放電プラズマ焼結法で作製したSm-Fe系磁石の高性能化のため、熱間塑性加工法など磁石材料の異方性化を試みる。
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