2021 Fiscal Year Annual Research Report
Search for regularity of crystal structure based on atomic environment type
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17K06783
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陳 迎 東北大学, 工学研究科, 教授 (40372403)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原子配置タイプ / 二元系化合物 / 電子構造 / 結晶構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、無機二元系化合物群を対象として、電子構造計算とクラスター展開法(CEM)、フォノン振動解析、もしくはDebye近似を組み合わせた手法により、従来の群論に基づく結晶構造分類に一般化された原子配置タイプ(AET: Atomic Environment Type)の電子論ベースの解析を行う、2元系におけるAETの全面的な情報を取得する。コロナの影響で研究を延長した。今年度には本課題の最後の年となり、これまで広範な系に対する系統的な計算がと特徴がある系に対して詳細な解析の結果をまとめる段階になった。(1)元素周期表に元素番号52まで、2元系化合物に頻繁に出現される19種類の原子配置タイプに対して、基底状態、有限温度と圧力効果の計算は完成された。基底状態では、同じAETタイプに所属する数種類の結晶構造タイプの化合物の間にルギーの差が小さく、原子の位置により結晶構造の対称性は少し異なっても似たような構造特性を持つグループをみられた。(2)俯瞰的観点で計算結果を元素周期表のグループを沿ってアサインされた順番(PN number, periodic number)を用いて二元系の計算構造マップを構築できた。PN<54の元素間の二元系化合物は形成しない、化合物のAETがPN>54の元素から決められることが明らかになり、従来の経験的なAET構造マップから観察された規則性を確認できた。(3)これまでの計算に基づいてAETの物理的な意義を考察した。これまでメインパラメーターをであるエネルギー、自由エネルギーと共に、電子局在化関数(electron localization function, ELF)の解析も行い、構造における各原子のlocal environmentの結合特性はAETタイプの形成と繋がっていることが分かった。(4)昨年度の多元系固溶体の解析から、これまで規則相を対象にした原子配置タイプAETは固溶体のAETへの展開を検討し始めた。
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