2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Mesoporous Single-Crystalline Oxide Electrodes with High Electroconductivity and Durability
Project/Area Number |
17K06803
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
黒田 義之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50638640)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多孔体 / ナノシート / 酸素還元 / 酸素発生 / 固体高分子形燃料電池 / アルカリ水電解 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車用燃料電池や、再生可能エネルギーを利用した水電解では、デバイスの起動停止が頻繁に生じ、これによる電極劣化が大きな問題である。本研究では高耐久な電極材料の開発を目指し、導電性多孔質担体の合成と触媒開発に取り組んでいる。今年度は単結晶性メソポーラス酸化チタンの合成に成功し、これらにPtナノ粒子を担持して燃料電池用触媒活性を評価した。またハイブリッド水酸化物ナノシートからなるアルカリ水電解用触媒を用い、電位変動に極めて高い耐久性を有する触媒システムが構築できることを見出した。 燃料電池用触媒の実験では、Ptをアークプラズマ析出法によりメソポーラス担体に担持すると、微粒子を高分散に担持することが出来、市販のカーボンブラックに近い高活性を示すことを明らかにした。次年度はこの触媒系を用いた耐久性の評価に取り組む。 アルカリ水電解用触媒の実験では、表面が有機分子により修飾された水酸化コバルトナノシートを電解液に分散させると、これがアノード表面に選択的に自己組織化し、触媒層を形成した。頻繁な起動停止を模擬した加速劣化試験条件下では、電解液から触媒が補充されるため、触媒層が劣化しても自己修復させることが可能で有り、極めて高い安定性を示した。次年度はこの触媒系の高活性化、さらなる高耐久化に取り組む。 以上の様に、今年度は本研究にて開発した新材料が燃料電池、アルカリ水電解のそれぞれに対して高い性能を示すことを明らかにすることが出来た。次年度は性能評価、材料開発を継続すると共に、これらの成果を論文にまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた多孔質担体の合成と評価については順調に進展しているが、サブテーマとして検討してた触媒開発において、従来とは一線を画す極めて高い耐久性を有する触媒システムの発見に至り、当初の計画以上に幅広い用途を視野に入れた研究展開の可能性を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
燃料電池用に開発した多孔質担体については、その性能評価を着実に進め、将来の非白金触媒の実現に十分貢献しうるかを評価する。 新たに見出したアルカリ水電解用触媒についても本技術の基盤となる現象解明を進め、研究期間終了後の本格的実施に向けた土台作りを行う。
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Causes of Carryover |
研究室を共同運営する教授が大型研究費を獲得し、新型の測定装置等を整備したため、古い測定装置や合成器具に余裕ができ、本研究に古い装置・器具を流用することが出来るようになった。このため、経費を節約して実験を行った結果、次年度使用額が発生した。今年度は当初想定していなかったアルカリ水電解用高耐久触媒システムに関する新たな成果を得たため、次年度はこの実験にも研究費を十分に割り当てて円滑に研究を進める予定である。
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