2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multifunctional materials by structure control of nanogranular films
Project/Area Number |
17K06849
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Research Institution | Research Institute for Electromagnetic Materials |
Principal Investigator |
池田 賢司 公益財団法人電磁材料研究所, その他部局, 研究員(移行) (40769569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮上 信 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00302232)
小林 伸聖 公益財団法人電磁材料研究所, その他部局等, 研究員(移行) (70205475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノグラニュラー薄膜 / 磁気誘電効果 / 誘電率 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性金属(FeCo)含有比率の異なる層を積層した試料の磁気誘電(TMD)効果の誘電率の周波数特性の解析において、積層界面の比率の増加に伴い比誘電率が増加する現象が確認されている。本年度はこの現象を解析するため、分光エリプソメータを用いて紫外から赤外までの波長領域の誘電率の解析を行い、より高い周波数領域での誘電率のふるまいを検証することにより、積層界面で発生していると予測される電気分極変化の原因追及を行った。 磁性金属組成が異なるナノグラニュラー薄膜を測定した結果、可視光から赤外領域での比誘電率が磁性金属組成に応じて増加することを確認した。GHz帯域までの電気特性をデバイフローリッヒモデルを用いて解析した結果では、磁性金属組成に応じて周波数に対して不変の誘電率成分が増加することが確認されており、この周波数不変の誘電率の増加が光の領域においても減衰せずに機能していることを示している。 磁性金属組成が異なる層を積層したナノグラニュラー薄膜について同様の解析を行った結果、積層界面の比率の増加に応じて周波数に対して不変の誘電率の増加が確認された。上記の結果を比較すると、磁性金属組成および積層構造を形成することにより周波数に対して不変の誘電率が増加し、積層構造を形成することにより、同一の磁性金属含有量であっても周波数不変の誘電率が高くなることにより、全体の誘電率を高くする効果があることを示している。ナノグラニュラー構造における誘電率は、Maxwell-GarnettおよびBruggeman近似を用いて磁性金属の比率に応じて比誘電率が高くなると見積もることができるため、磁性金属含有量が増えた場合と同様に、積層構造の界面近傍において周波数に対して不変の電気分極が形成されていると理解できる。この原因としては、積層構造界面における粒径の異なる電気双極子対の形成にあると考えられる。
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