2019 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of high-temperature oxidation-resistant surface-modification layer applied to Nb-based alloy and the Construction of Phase Diagrams
Project/Area Number |
17K06865
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 繁 北海道科学大学, 工学部, 教授 (30382477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表面改質層 / 熱サイクル酸化 / 合金状態図 / 自己形成 / 組成経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、耐高温酸化性付与に不可欠なアルミナ保護皮膜の形成・維持する表面改質層を耐熱合金上に形成し、ガスタービンやジェットエンジンの実使用環境を想定した熱サイクル酸化試験により表面改質層の適正化とその劣化挙動を解明することを目的とした。 本研究で提案する表面改質層とは、試験前に耐熱合金上に施したコーティング層が熱サイクル酸化試験中に層構造が変化するが、層構造の変化とともに各元素の相互拡散抑制とアルミナ保護皮膜の形成・維持の両立を可能とする、“自己形成コーティング”のことをいう。特に、実用化されたコーティングプロセス(プラズマ溶射や電子ビーム物理蒸着)ではなく、本研究では拡散浸透処理と熱処理を組合せた低コストで簡易的なコーティングプロセスによって表面改質層の形成を達成することができた。既存のニッケル基耐熱合金を用いた結果では、熱サイクル酸化条件下(1サイクルは1100℃で45分保持後⇔常温で15分保持、大気中)で目標回数の1000回を超えても耐酸化性の劣化が見られず、優れた耐サイクル酸化特性を得ることができた。 耐熱合金と表面改質層(コーティング)、さらにアルミナ保護皮膜はいずれも異相であるため、これらの組合せや形成過程を合金状態図上に組成経路として記述することによって表面改質層の構造変化を明確に表現することができた。また、ニオブ基合金としてNb-Si元系に着目し、Nb固溶体と金属間化合物相に対する第三元素(W、Mo、Ti、Cr、Al、Pt、Re)それぞれの固溶量を調査した結果、各相に固溶しやすい元素と固溶しにくい元素を区分することができ、表面改質層の最適構造を選定するために有効な知見を得ることができた。 今後の研究では耐酸化性の観点だけでなく、機械的特性との関連も実験的に検討し、長寿化を目指す。
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