• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

化合物半導体の湿式エッチングに関する体系的理解と応用

Research Project

Project/Area Number 17K06866
Research InstitutionKogakuin University

Principal Investigator

阿相 英孝  工学院大学, 先進工学部, 教授 (80338277)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 橋本 英樹  工学院大学, 先進工学部, 助教 (60579556)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords化合物半導体 / 湿式エッチング
Outline of Annual Research Achievements

Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体(GaAs)を主な加工対象として,①二次元平面上への位置情報の付与,②物質固有の自発的秩序構造形成能力,③各種湿式プロセスを組み合わせたナチュラルリソグラフィー技術で,幾何学構造をナノスケールで高精度に制御する原理を理解すると共に高次構造体を低コスト・高スループットで作製する技術を開発し,個別に確立した技術・情報を相互に関連付け微細加工技術として最終的には体系化することを目的とする。
初年度は, GaAs基板上にエッチング時の触媒となる金を100 nm周期で島状に形成した。その後,酸と酸化剤からなるエッチング液(エッチャント)に金を付与した基板を浸漬し化学エッチングを施した。その結果,触媒として用いた金が基板内に沈降する正パターンのエッチングだけでなく,条件によっては金周囲がエッチングされる逆パターンのエッチングも生じることを確認した。金が頂部に残存したGaAsピラーのアスペクト比は,十分に高いとは言えないが,本研究を通じて得られた成果は学術論文として公表した。
二年目は,パターニング精度の向上を目指し,シリコンなどの半導体表面にレジストを塗布し,エッチングマスクの作製にも取り組んだ。既存のフォトリソグラフィーでは,ナノメートルスケールで規則的なパターンを持つマスクの作製は困難であることから,パターン周期をマイクロメートルスケールに設定し,周期的な開口部を持つマスクやライン状のパターンを持つマスクの作製を検討した。基板の露出部を限定し,触媒量を調整することで基板のエッチング速度などの評価が行えるものと考えている。並行して,貴金属に代わる触媒も模索した。引き続き,触媒のサイズ,形態,分布を高精度に制御する技術の確立ならびにエッチャント組成,温度などエッチング条件の最適化を推進し,通常の化学エッチングとの類似点,相違点の把握・理解に努める。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

GaAs基板に対し酸と酸化剤から構成されたエッチャント中で金を触媒とした化学エッチングを施し,エッチャント組成,濃度,温度などのエッチングパラメータを検討することで,正パターン/逆パターンのエッチング形態を左右する境界条件に関して基礎データを集積した。パターンの周期性や広範囲でのエッチングの均一性など,細部の構造設計に関しては今後の課題になるが,エッチングプロセスに関する基礎データは十分に収集できた。また,エッチング後の基板の化学組成に関しては,オージェ電子分光法での評価に着手し,試料表面の元素分布などを測定した。本研究を通じて得られた成果は学会発表だけでなく,学術論文(Nanoscale Research Letters)としても公表し,海外の研究グループが該当論文を参考文献として引用するに至っている。しかしながら,作製した構造体のデバイス応用等を考えるためには,パターンの周期性,規則性,均一性等が鍵になるため,エッチングマスクの精度向上も重要な課題である。現在までに,フォトリソグラフィーを利用したマスクの作製に関しても基礎技術を確立し,エッチング速度,エッチング方向等,定量的なデータを取得できる環境は整備できて来た。

Strategy for Future Research Activity

引き続き,湿式エッチングに基づくナノ構造作製技術の基本原理,基礎技術の確立を目指す。適宜実験条件の改善・最適化を図りながら,当初の目的をほぼ達成した段階で,研究期間の後半は,二次元から三次元に加工対象を拡大し,補足的な二次加工を導入することで半導体の高次幾何学構造の制御を目指す。
初年度はアルミニウムのアノード酸化で形成したポーラスアルミナをマスクとして用いていたが,配列の乱れや欠陥が,最終的なエッチングパターンにも大きな影響を及ぼしたことから,二年目以降は市販のフォトマスクを用いフォトリソグラフィーも併用しながら,ナノとマイクロの両スケールで基板の加工を検討している。エッチングパターンの精度に及ぼすディメンションの影響に加え,触媒種の効果に関しても系統的な評価を実施する。

Causes of Carryover

科学研究費以外に,学術振興を目的とする研究協賛金を民間企業から得たため,消耗品費の一部を本申請の助成金以外の経費で購入した。また,当初参加予定であった国際学会をスケジュールの都合で見送ったため,旅費での支出がなくなり,次年度使用額が生じた。

仕様(結晶面,基板抵抗など)の異なる半導体ウエハを使用し,系統的に研究を進めるため,当初購入を予定していた半導体基板に加え,厚みやドープ種の異なるウエハの購入費に充てたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体のアノードエッチング2018

    • Author(s)
      阿相英孝,小野幸子
    • Journal Title

      表面技術

      Volume: 69 Pages: 633-636

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] アノードエッチングを用いた化合物半導体の微細加工2018

    • Author(s)
      阿相英孝
    • Organizer
      金属のアノード酸化皮膜の機能化部会第100回例会
    • Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi