2017 Fiscal Year Research-status Report
引抜きによる医療・電子機器用極細管の長尺量産製造技術
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17K06867
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
吉田 一也 東海大学, 工学部, 教授 (80147123)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療用細管 / 引抜き / 塑性加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自の新しい加工法である「液体マンドレル引き」(特許 第4915984号 取得済み)を活用し、医療機器用管(無痛注射針、吸引管、及びステント)長尺管製造を検討した。細管の直径が180μm~3 mmで約100 mの長尺極細管の製造技術目標を掲げた。医療用極細管には高寸法精度(極細径かつ薄肉)、管内表面性状の良好性、高強度が必要であり、その全てを満足させるような製造条件を検討した。供試材料はステンレス鋼JIS:SUS304)とした。液体マンドレル引きによって長尺の医療用極細管が製造できるかをドラム式の引抜き機を用い検討した。 (a) 液体マンドレル引き実験 注射針並びに医療吸引管とも、素管にステンレス鋼管を用い、長尺の素管内に液体(水)を封入し、新規に製作するドラム式引抜き機を用いて引き抜いた。細径化用のダイヤモンドダイスの半角は、6度及び13度とし、断面減少率は10 %及び15 %とした。 直径:0.30 mm,肉厚:直径の15 %程度,管内面の表面性状:Ra0.4μm程度の極細管で長さが20m程度の細管を製造することができた。 (b) 有限要素法(FEM:Finite Element Method)による引抜き管の肉厚変化の予測 「液体マンドレル引き」の特長は、厚肉化を防止することと、管内面の表面性状を悪化させないことであるが、引抜き管の肉厚を予測することは困難である。そこで、FEMを用いて、引抜き時の材料変形や、引抜き応力、管の肉厚、残留応力などを解析し、最適引抜き条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液体マンドレル引きの基礎実験は順調に進み、良い成果を得ることができた。平成29年導入したドラム式の引抜き機械の導入設置が少し遅れ12月末となたっため、長尺引抜き実験の計画の8割ぐらい実施することができた。しかし、予定以上の成果が出たように思える。
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Strategy for Future Research Activity |
ドラム式引抜き機を用い、目標である寸法形状でかつ、約50mの長尺極細管の製造を目指す。また。ステンレス鋼管のみではなく、銅、純チタンやマグネシウムの細管の製造研究にも検討する予定である。 いずれの管の用途を特定し、それに必要な寸法精度を持つ細管の製造、その最適引抜き条件を明らかにする。
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Causes of Carryover |
購入計画の引抜き機が当初計画した金額より安価で購入できたことと計画していた謝金を使用しなかったため、約27万円を次年度に繰り越すことになった。
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