2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of nitrogen reduction and ammonia oxidation for nitrogen cycling system
Project/Area Number |
17K06871
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
城石 英伸 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (30413751)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ペロブスカイト型酸化物 / 窒素還元 / 三相界面 / 低温 / 常圧 / アンモニア合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
Aサイトに種々の希土類元素(M=La, Nd, Sm, Eu, Gd, Yb)を持つペロブスカイト型酸化物(MFe0.7Mn0.3O3,以後MFMOと称す)を調製し,アンモニア酸化能を三相界面を有しNafion膜で隔てた2室式セルを用いて低温(~100℃)下で評価した.なお,生成物はガスクロマトグラフィと陽イオンクロマトグラフィで定量した. 合成した触媒の表面形状を電子顕微鏡にて観察したところ,LaとDyに置換した触媒では,表面に空孔を持つ触媒が合成され,Sm,Eu,Gdに置換した触媒については,1次粒子が焼結することによってできた2次粒子を持つ触媒が合成されたことが明らかとなった.この中でも,表面に空孔を持つLaFMOとDyFMO触媒に関しては表面積が1.5 m2/g以上と他の触媒と比較して大きいことが明らかとなった.また各触媒において表面上の原子が均一に触媒上に存在しているため,表面形状によらず各触媒ともMFeO3にMnが固溶されていることが明らかとなった. 合成したMFMOにおいて75℃での電解では,原子番号が大きくなるにつれてアンモニアの生成速度が向上していることが確認され,この事から,アンモニアの生成速度には格子定数が影響していることが示唆された.特に合成した触媒中で活性が良かったDyFMO触媒の75℃と25℃での-1.0 V vs. RHEの活性を比較すると25℃のほうがアンモニアの生成速度が速く,水素の生成が少なかった.このことから,過電圧が大きい条件では低温のほうが競争反応である水素の生成速度が抑制され,アンモニアの生成速度が増加することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,研究計画では,溶液系で触媒をスクリーニングすることとしていたが,その後の検討で,三相界面を用いた方が,電流値が大きく,生成物の定量性がよくなるという判断から,三相界面を用いた2室式セルを設計し,電気化学システムを構築したことから,研究計画よりは遅れて進行している. しかしながら,課題はほぼ解決されつつあり,次年度はスムーズに研究を遂行できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,当初計画していた,金属有機構造体等の錯体やペロブスカイト型の酸化物に加えて,WOx/RuOy等の複合酸化物による窒素還元能についても検討を行っていく予定である. また,アンモニアの酸化メカニズムの研究においては,現在はノーマルパルスボルタモグラム等の電気化学的手法により行っているが,今年度購入予定だった北斗電工のHQ-101Dが製造中止となり購入できなくなってしまったため,分光学的手法によってそれを補っていく予定である. また,形状制御シェルコアナノ触媒の調製とアンモニア酸化反応メカニズムの研究においては,シェルをPtに固定し,コア金属を原子番号順に変えていき,アンモニア酸化能とコア金属の種類との相関を検討する.また,コア金属をIr等の貴金属に変えたものについても検討を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
624円分については,非常に少額であったため,無理に使うことができなかった. 次年度分と合わせ,消耗品代として有効に活用したいと考えている.
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Research Products
(4 results)