2018 Fiscal Year Research-status Report
アルミニウム合金の消失模型鋳造法における模型熱分解のその場直接観察
Project/Area Number |
17K06880
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
頃安 貞利 帝京大学, 理工学部, 教授 (70215440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消失模型鋳造法 / アルミニウム合金 / 湯流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
消失模型鋳造法による模型熱分解のその場直接観察するにあたり,本申請課題の実験条件に対応するアルミニウム合金の消失模型鋳造法における湯流れに及ぼす塗型通気度の影響について検討を行った.通気度の異なる8種類の塗型に対して,平板状のアルミニウム合金鋳物を消失模型鋳造法で鋳造し,溶湯流動長と湯流れ速度を測定した.その結果,通気度が大きくなるにつれて溶湯流動長は長くなり湯流れ速度は大きくなった.発泡倍率が大きい方が,また鋳込温度が高い方が溶湯流動長は長くなった.さらに湯流れ速度の実測値を用い,溶湯から塗型膜を通して鋳型中への伝熱から溶湯流動停止距離を推算したところ,溶湯流動長の実測値と概ね一致する結果も得られた.この解析から,模型熱分解のその場直接観察可能かどうかの実験条件である熱分解ガス層厚さの推算も可能となった.しかしながら,低通気度塗型を用い熱分解ガス層厚さが十分大きい条件では,溶湯流動長は極めて短く,この場合の模型熱分解のその場直接観察は困難であることが明らかになった.また,まず,これに関連する既往の研究結果を調査したところ,鋳鉄溶湯に関する報告がいくつかみられた.この場合溶湯温度が高いために十分な厚さの熱分解ガス層厚さとなるため,湯流れの直接観察は可能であることが明らかになった.本申請テーマのアルミニウム合金においても,可能な限り溶湯温度を上げる以外に,熱分解ガス層厚さと溶湯流動長の両方を十分な大きさとすることは不可能であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
消失模型鋳造法による模型熱分解のその場直接観察ができる条件として,熱分解ガス層厚さが大きくなる低通気度での実験を予定していたが,この条件では流動長が極めて短くなることが明らかになった.しかしながら,熱分解ガス層厚さと流動長は,互いにトレードオフの関係にあるため,これらを両方とも満足するように設定できないことも明らかになった.このため,残る可能性として,溶湯温度を上げることを検討中である.したがって,平成30年度に行う予定であった直接観察の実験まで実施できておらず,遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
模型熱分解のその場直接観察可能な十分な厚さの熱分解ガス層厚さが得られる塗型通気度の条件と,十分な流動長さが得られる条件を求め,さらに溶湯温度を上げて直接観察の実験を開始する予定である.
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Causes of Carryover |
消失模型鋳造法による模型熱分解のその場直接観察ができる条件として,当初,熱分解ガス層厚さが大きくなる低通気度での実験を予定していたが,この条件では流動長が極めて短くなり,直接観察が困難であることが明らかになった.よってハイスピードデジタルイメージングカメラは平成30年度にも購入されておらず,次年度使用額が生じた.しかしながら,平成30年度の予備実験で,直接観察可能な十分な厚さの熱分解ガス層厚さと溶湯流動長を得るために,可能な限り溶湯温度をを上げる方法が見いだされている.令和元年度は,高い溶湯温度条件下での実験を試み,購入予定であるハイスピードデジタルイメージングカメラを用いて,直接観察も試み,塗型の通気度や減圧の影響を実験結果から考察する予定である.
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Research Products
(3 results)