2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of crystal attrition and agglomeration models in a stirred type crystallizer
Project/Area Number |
17K06886
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40334635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Mixing / Crystallization / CFD / Transition flow / Population Balance / Anti-solvent |
Outline of Annual Research Achievements |
(a) 固液撹拌操作では,粒子が均一には分散されず,撹拌をしても粒子が槽底にたまるという問題が生じることがある.そこで数値流動解析(CFD)と連成した固体粒子運動のラグランジアン解析により,粒径,粒子密度,粒子個数および撹拌翼設置高さと回転数を変化させた場合の固体粒子濃度の鉛直方向分布を定量化し,槽内の分散状態への影響を検討した.その結果,粒径が大きいほど粒子個数の増加に伴い,濃度分布の標準偏差が小さくなる傾向が示され粒子の浮遊が促進されやすくなることがわかった.また,撹拌翼設置高さごとにフローパターンが大きく異なるが,粒子の浮遊の程度には影響がないことが確認できた. (b) 撹拌装置内での貧溶媒添加晶析を数値流動解析により再現するために,Y字ミキサーでのKCl水溶液-エタノール系の貧溶媒晶析をモデルケースとして,三成分相図とポピュレーションバランス解析を組み合わせた数値流動解析手法を構築した.Y字ミキサー内の層流流れと溶質・溶媒成分の濃度分布はCFDを用いて計算した.KCl水溶液と貧溶媒の混合に伴う局所的な成分濃度分布は,三成分相図にもとづいて局所的な溶解度と過飽和度の分布として算出した.併せて分子拡散係数に対する貧溶媒濃度の影響も定量的に考慮できる解析手法とした.結晶の核発生速度と成長速度の計算には,貧溶媒による過飽和度の効果も同様に考慮したポピュレーションバランスモデルを使用した.CFDと晶析過程の計算を効果的に連成させるために,濃度の表記方法と計算の時間刻みを具体的に検討した.この構築した計算方法により,実験的な計測が困難であるKCl水溶液-エタノール系における局所混合状態と晶析過程を良好にシミュレートすることができた.以上の結果は,同計算方法が撹拌槽型晶析装置において貧溶媒の濃度の局所的な分布の効果を定量化するために効果的な手段であることを示している.
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