2017 Fiscal Year Research-status Report
Simulation Algorithms for Membrane+Distillation Hybrid Processes for Multicomponent Azeotropic Mixtures
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17K06890
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 秀樹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70166370)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膜分離 / 蒸留 / 複合化プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
蒸留と膜分離の複合プロセスの特性を解明するための解析プログラムをを開発するために、分離膜モジュールの解析プログラム、および蒸留と膜分離複合プロセスの解析プログラムをプログラミング言語FORTRANを用いて作成した。 1)透過側・非透過側の完全混合を仮定した分離膜モジュール(VP膜)に透過膜の両側の成分蒸気分圧差を推進力とする透過流束モデルを適用し、全体の物質収支を満足するように透過分率と透過側・非透過側の組成を交互に求める多成分系膜分離解析プログラムを開発・作成した。多成分系では,多元連立二次方程式をNewton-Raphson法を用いて数値的に解くため,多重解(物理的に意味を持たない解),収束計算の途中で発散するなどの問題があり,初期値の選定と過剰修正を回避する手順を考案し,収束安定性を向上させた。(ICSST17,EP-02) 2)蒸留塔の塔頂蒸気の分離に分離膜モジュール(VP膜)を適用した、複合プロセスの解析プログラムを作成し、3成分系分離の例題(アセトンーイソプロパノールー水系)を用いて収束解を得られることを確認できた。 3成分系での検討の前段階として,2成分系混合物(アセトンー水系)について,複合プロセスの蒸留塔の段数と省エネルギー性について検討した。(分離技術会年会2017,S2-P9) 3)膜性能を表現するパーミアンスの組成・温度依存性を考慮した既報の相関式を膜分離モジュールの計算プログラムに導入し,2成分系混合物の透過側/非透過側組成関係を求める計算が可能となった。(分離技術会年会2017, EP-02)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,計画した4項目について。1)多成分系膜モジュール解析プログラムを作成し,収束安定性を向上させるための手法を考案した。2)計画1)で作成したプログラムを蒸留計算プログラムに組み込むことにより,複合プロセスの解析プログラムを作成した。3)膜のパーミアンス(透過率)の濃度・温度依存性について,文献より得られた相関式を適用して,膜分離解析プログラムを作成した。4)汎用プロセスシミュレータによる膜+蒸留複合プロセスの解析モデルの作成については,ミュレータの導入が遅くなったこと,および膜モジュールの計算方法の違い(パーミアンスを用いるか分離係数を用いるか)への対応ができなかったことにより,プロセスを組むことができなかった。以上より,3項目について目標を達成できたので,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
汎用シミュレータを用いた膜+蒸留複合プロセスのモデルの開発は,簡単な構成から初めて,複雑な構成に向けて継続して行い,本研究計画で作成する解析プログラムの結果と比較できるようにする。 解析プログラムに関しては,多成分系PV膜モジュールについて開発を行う。 膜性能の組成・温度依存性に関して,使用できるデータが殆どなく,回分式の膜分離実験装置(PV膜)に対する解析プログラムを作成し,可能であれば実験データを入手して,相関式のパラメータを決定したい。
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Causes of Carryover |
シミュレータPRO/IIの契約時期の関係で,会計システムの理由から支払いが2分割されたためであり,残額は30年度に支払われる。
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Research Products
(3 results)