2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of nano-porous membranes and study on the influence of water vapour
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17K06893
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊切 泉 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20618805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 炭素膜 / 膜分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
新しい前駆体として、ミモザ由来のタンニンを試みた。タンニンの薄膜を多孔質セラミックス表面にコーティングできたが、焼成時のタンニン層の収縮が大きいため、炭化膜には大きなクラックが生じた。コーティングや焼成条件を変えても、クラックの無い膜は形成できなかった。一方、タンニンにオルガノソルブリグニンを加えたところ、欠陥が無く、分子ふるい的な透過性能を示す炭素膜が得られた。また、オルガノソルブリグニンから作成した膜と同様に、コーティング液に鉄を加え、低温焼成条件を用いることで、水素透過性は維持しつつ、水素選択性が向上した。さらに、タンニン前駆体に由来すると思われる、二酸化炭素の得意な吸着性が発現した。ミクロ多孔質な膜では、単成分試験で得られる透過性の比から推測する分離性と、二成分分離での分離性が大きく異なる場合がある。そこで、CO2/N2、CO2/CH4の二成分混合ガスの分離試験を行った。CH4透過性は極めて小さく検出限界程度であったため、CO2/N2 系で操作条件(圧力、流速)の影響を検討した。CO2/N2分離性能は操作圧力の低下に伴い増加し、供給側2気圧、透過側1気圧の条件で、分離係数190を示した。これは、単成分の透過性比から計算した分離係数よりも5倍以上大きい値であった。膜細孔に二酸化炭素が選択的に吸着することで、窒素の透過を阻害したことが示唆される。また、膜は空気中の水蒸気を吸着し、ミクロ細孔が水により閉塞するため、透過性が著しく減少した。吸着した水の除去は、室温での減圧では不十分で、110℃程度の加温が必要であった。低温焼成しているため、膜が親水的な可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室の再編のため、実験機器の使用が予定外に限られてしまい、透過試験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高い性能を示す膜が選定できたので、透過試験を中心にして行う。
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