2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nano-porous membranes and study on the influence of water vapour
Project/Area Number |
17K06893
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊切 泉 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20618805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膜分離 / 炭素膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き膜合成の簡易化を試みた。リグニンに加えて、ベルパールを前駆体として用いた。具体的には、水処理用として市販されている多孔質セラミック管状支持体上に、ディップコート、乾燥、焼成工程を経てナノ多孔質な炭素膜を合成した。従来のクリーンルーム内でのΦ3mm,長さ30mmの支持体への高速焼成による合成法に代えて、クリーンルームを用いずΦ12mm、長さ100mmの支持体を用い、汎用的な焼成炉での合成を用った。従来の合成条件から大きく変更したが、前駆体濃度や焼成条件を調整することで、亀裂がなく分離性を有する炭素膜が得られた。これらの基礎データは、膜合成の大型化を大きく推進できるとして期待できる。 本研究では従来の800℃程度の焼成に代えて、500℃前後の低温焼成を用いた。この条件では従来法に比べて炭素化が進まないため、膜は親水性を示した。鉄を分散した前駆体から合成した膜の水透過量は、鉄を含まない場合よりも小さくなった。鉄により形成するネック構造を有する微細な孔が水蒸気の凝縮により閉塞しやすいことが原因の1つに考えられる。 上記のようにして合成した炭素膜と、水熱合成により合成したゼオライト膜の耐酸性比較も行った。膜をpH4の塩酸水溶液に1日浸漬後、アルコール水溶液の分離試験とゼオライト膜ではXRD分析を行った。脱水膜として市販されているA型ゼオライト膜は非晶質化し、透過流束、分離性能共に性能が劣化した。一方、炭素膜では透過性、分離性に大きな変化は見られず、耐酸性に優れた膜であることが示された。
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Research Products
(3 results)