2018 Fiscal Year Research-status Report
微粒子均一改質および均一混合が可能なプラズマ製剤用噴流層プラズマリアクターの開発
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17K06906
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 信介 岐阜大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30345920)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 噴流層 / プラズマ / プラズマ挙動 / 粒子挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ流量層を用いた効率的な粒子コーティングを行うに当たり、プラズマ流動層内のプラズマの挙動や粒子挙動を把握する必要があったため、当該年度は分光計測器および高速度カメラを用いて、流動層内粒子へのプラズマの照射がプラズマの挙動および粒子流動挙動に与える影響について実験的検討を実施し、以下の知見が得られた。
●流動層プラズマリアクターを用いて粒子にプラズマを照射することで、流動層内の粒子流動状態は大きく変化することが明らかになった。プラズマを照射することで、流動層内の圧力損失は低下し、わずかなガス流量でも粒子を良好に循環させることが可能であることが分かった。これは、プラズマの照射により流動化粒子の表面電荷が大きく変化するためであることを明らかにした。 ●流動化媒体の材質によりプラズマおよび粒子挙動は大きく異なり、電気伝導度が低い物質ほどプラズマや粒子の挙動に大きな影響を与えることが明らかになった。これは上述したように粒子表面電荷が影響していることが分かった。 ●流動化媒体の材質により放出されるプラズマのエネルギー準位が異なることが明らかになり、流動媒体を変化させることで、得られるプラズマの性質を変化させることが可能であることが明らかとなった。これは、流動媒体の材質により、エネルギーの吸収帯が異なっているためであることもわかった。流動媒体の材質によってはプラズマを増幅、あるいは消失させることも可能であることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
流動層プラズマリアクターにおいて、プラズマの照射が流動化粒子やプラズマ、さらには流動状態に与える影響が明らかとなった。研究開発当初は単に粒子表面の改質を行うことを目的としていたが、今年度流動層プラズマリアクター内の粒子やプラズマの挙動が明らかとなったことで、流動化粒子の改質において効率的なプラズマの照射条件や流動化条件などが明確にすることが可能となった。以上のことから、当初計画以上に研究開発が進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
流動層プラズマリアクター内のプラズマおよび粒子挙動が明らかになったことで、今後は当初目的に立ち返り、2粒子の混合および2次粒子の均一コーティングについて実験的検討を実施する。これまで無機物を使用してプラズマ照射を行ってきたが、今年度は有機物を用いて粒子の改質および粒子コーティングを実施する。 既に最も効率的なプラズマの照射方法や粒子の流動化方法については明らかになっているため、今年度は有機物の種類を変えて実験を実施することで、流動層媒体の変化がプラズマ照射や粒子挙動に与える影響を把握するとともに、プラズマによる粒子の改質性能および2次粒子付着性能を定量的に明らかにする。
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Causes of Carryover |
流動層プラズマリアクターのリプレイスを想定していたが、今年度の実験期間中問題なく使用することができた。ただし、今年度はリアクターのスケールアップを予定しており、その購入費用に充てる。
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Research Products
(6 results)