2017 Fiscal Year Research-status Report
モノリス型混合作用吸着材料の開発とタンパク質・ペプチド精製プロセスへの応用
Project/Area Number |
17K06921
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 孝明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00217043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80144921)
木村 勇雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00169921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオセパレーション / モノリス / 吸着材料 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリメチルメタクリレート多孔質材料にサブミクロンサイズのヒドロキシアパタイト粒子を組み込んだ複合モノリスを作製した。ポリメチルメタクリレート多孔質材料はエタノール-水-混合溶媒を用いた熱誘起相分離法にて作製した。ポリメチルメタクリレートの多孔質構造の制御は溶媒中の水分濃度や冷却温度などを変化させて行った。湿式法にて合成したヒドロキシアパタイト粒子の,ポリメチルメタクリレート溶液への分散方法について検討を行った結果,ポリメチルメタクリレート多孔質材料にヒドロキシアパタイト粒子を複合化することができた。複合化されたことは,材料断面の走査型電子顕微鏡観察ならびにフーリエ変換赤外分光分析にて確認した。この複合モノリスはポリメチルメタクリレートの疎水的な相互作用とヒドロキシアパタイトの静電的な相互作用を併せ持つ混合作用吸着材料として利用可能と考えられる。作製した複合モノリスを円盤状に加工後,特注して製作したホルダーに装着することにより,タンパク質の吸着実験を行った。モデルタンパク質として牛血清アルブミン(BSA)と牛γ-グロブリン(BGG)を用いた。BGGはモノクローナル抗体などの免疫抗体のモデルである。BSAとBGGを10 mMのリン酸緩衝液中に溶解したタンパク質溶液を複合モノリスに透過させたところ,BGGが優先して吸着された。複合モノリス中の未吸着成分を洗浄除去後,400 mMのリン酸緩衝液を透過したところ,BSAとBGGが溶出されたことが,電気泳動法(SDS-PAGE)にて確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブミクロンサイズのヒドロキシアパタイト粒子を組み込んだPMMA多孔質モノリスを作製することができ,タンパク質の吸脱着実験も開始できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質の吸脱着実験を進めてモノリスクロマトグラフィーとしての操作条件の最適化,並びに作製条件の最適化を行う。
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Research Products
(1 results)