2017 Fiscal Year Research-status Report
超臨界圧下の流体相変化現象に対する多成分二相平衡モデルの提案と燃焼流解析への応用
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17K06939
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺島 洋史 (石原洋史) 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20415235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超臨界流体 / 非理想流体 / 数値流体力学 / 燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
極低温領域を含む超臨界圧流体のシミュレーションでは,流体非理想性を考慮する必要がある.本年度は,まず目標達成の基礎となる流体解析プログラムを構築することを目的として,従来から有していた理想流体/燃焼コードを非理想流体コードに拡張した.熱物性の非理想性を考慮するため,ロケット燃焼流の分野で使用実績のあるSoave-Redlich-Kwong状態方程式モデル,輸送物性の粘性係数と熱伝導率に対してChungモデル,拡散係数に対してRiazi and Whitsonモデルを採用した.任意の化学種から成る多成分流体の場合,特に燃焼シミュレーションでは,各化学種のエンタルピーや内部エネルギーを求める必要があるが,Meng and Yangが提案したPartial densityの考え方を採用することで定式化し,実装した.本研究の特徴の1つとして,熱物性と輸送物性を求めるプログラムは,理想流体に対して世界中で使われているCHEMKINのフォーマットに従うように設計,構築されており,任意多成分流体を汎用的に扱うことが可能である.理想流体コードから非理想流体コードへの修正に大きな労力を必要としないことから,本研究で作成した解析技術の社会展開が可能である.本流体コードは,参照解となる米国NISTデータとの比較から,熱物性,輸送物性の妥当性検証を実施し,問題がないことを確認した.更に,流体移流問題や高圧層流火炎伝播問題を通して,燃焼流体コードとしての妥当性も検証した.流体界面における相変化の取扱いに関しては,既存研究情報を精査し,来年度の実装準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標達成の基礎となる超臨界流体解析コードを完成し,その妥当性を十分に確認することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
流体界面における相変化現象に関しては,連携研究者が専門としている分野であり,より連携を深くすることで,研究推進が可能である.
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Causes of Carryover |
当初,大学院生を研究協力者として雇用し,解析補助を考えていたが,研究責任者で実施可能となり達成できたため.また,海外学会での情報収集を次年度開催の学会のほうが適当と考えたため違いが生じた.次年度,研究加速の観点から,研究連携者との議論を増やす予定でいるため,旅費として使用することを考えている.
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Research Products
(3 results)