2017 Fiscal Year Research-status Report
Sophistication and Deepning of Numerical Calculation and Active Control of Fan Noises
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17K06949
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 伸彦 九州大学, 工学研究院, 教授 (70166635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪口 雄三 九州大学, 工学研究院, 准助教 (30274509)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | fan noise / tone noise / axial flow fan / passive noise control / active noise control / acoustic liner / CAA |
Outline of Annual Research Achievements |
【1.CFD による受動騒音制御羽根枚数ファンでのファン騒音の計算と現象解明】: 受動騒音制御羽根枚数ファン(静翼枚数が多い)に対して CFD 計算を実施し,当該ファンでは音響伝播モードが減少することを確認した.空力性能については,巡行条件である設計回転数近くでは当該ファンと従来ファンの空力性能差が大きくないことを確認した.着陸時回転数近くでは当該ファンの全圧比が従来ファンより低下するデメリットが見られたが,低流量側で当該ファンの作動域が広がるメリットが見られた. 【2.Compact スキームによるCAA のファン騒音の伝播・放射問題への展開】: 周波数空間でのオイラー方程式の線形非定常音響計算のプログラムを作成し,解析解の存在する音響場で検証している最中である. 【3.能動音響ライナの数値計算法の開発】: 2次元能動音響ライナについて数値計算プログラムを作成し基本的流れ場を確認し対外発表をおこなった.現在3次元問題に拡張し計算結果の考察をおこなっている.なお次年度に予定していた2次元モデルでの実験を取りやめ3次元実験をおこなうよう計画を変更し,すでに3次元モデルでの実験を開始したところである. 【4.デジタルマイクロフォンを用いての高速度音響モード取得実験】: ファン騒音能動制御実験で,従来のアナログマイクからデジタルマイクに換装し,多チャンネルの音圧サンプリングのDA (デジタル・アナログ) 変換でのチャンネル間での時間差をなくすシステムをFPGA (Field Programmable Gate Array) を使って構築しつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画【1,3】についてはほぼ予定通りであるが【2,4】がやや遅れているため,全体としてはやや遅れている.研究実施計画【2】については,周波数空間での境界条件の与え方に問題を生じているが原因を特定できていないため,注力のため研究協力者(大学院生)を1名から2名に増やして対応中である.研究実施計画【3】については,対外発表での質疑応答をきっかけに2次元モデルを扱うより3次元モデルを扱うほうが望ましいとの検討結果となり,すでに3次元モデルでの実験に取りかかっているところである.計算モデルも3次元モデルにて計算実施中であるが,計算データの後処理について課題を残している.研究実施計画【4】については,FPGA から取り込んだデジタルマイクロフォンのデータをホスト PC に転送する部分をうまく実装できず時間を費やしたが,ベンダーサポートの協力を得ながらリアルタイムデータ取得の目途が立ったところである.
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Strategy for Future Research Activity |
【1.受動騒音制御羽根枚数ファンでの幾何形状のファン騒音と空力性能への影響調査】: 平成29 年度に作成したファン騒音計算に,空力性能計算を加えて,パラメータスタディを実施する.特に,スイープやリーン,動静翼間距離などの幾何形状パラメータのファン騒音と空力性能への影響を,空力性能低下の少ないファン騒音低減の見地から検討する.(当初計画どおり) 【2.Compact スキームによるCAA のファン騒音の伝播・放射問題への展開】: 複雑形状計算で精度・収束性向上を狙った一般曲線座標での Compact スキームの正確なステンシル計算を行うための,定式化を検討する.定式化は,Fosso らの論文にあるが,この論文ではもっぱらCAA 的計算手法の基礎的なところと検証しか与えられておらず,具体的な3 次元化と手元のコードへの実装を考える必要がある,この定式化を,手元のLES 計算コードと先に開発の線形非定常計算コードに実装して,このステンシルの正確化による精度・収束性を比較的簡単な複雑形状で検証する.(当初計画どおり) 【3.能動音響ライナの数値計算法の検証実験】: 3次元モデルでの非定常実験結果を非定常数値計算結果と比較しながら計算の妥当性を検証する.また音響ライナにおける(大域的・時間積分的でなく)局所的・瞬時的な吸音指標について考察し,実験では明らかにできない詳細な吸音メカニズムを明らかにする. 【4.デジタルマイクロフォンを用いたファン動静翼干渉騒音の反音響的能動制御実験】: 平成29 年度に作成したデジタルマイクロフォンを用いる高速度音響モード取得システムを用いて反音響の能動制御実験に組み込み,高速回転での騒音低減制御が改善されるか検討する.(当初計画どおり)
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Research Products
(9 results)