2018 Fiscal Year Research-status Report
Innovative wave monitoring system using autonomous drones
Project/Area Number |
17K06958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 良太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (20724420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 健 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90183433)
中村 裕子 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (40600698)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 波浪予測アルゴリズム / ドローン / 水槽実験 / 実海域試験 / 予測精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
多点計測を活用した波浪予測アルゴリズムの検証を目的に、水槽実験および複数回の実海域試験を実施した。東京大学生産技術研究所の海洋工学水槽で実施した波浪予測実験では一方向波、多方向波の不規則波に対して、多点計測の計測点を適切に設置することで高精度の波浪予測が可能であることを確認した。実海域試験は、相模湾の沿岸1kmに位置する平塚総合観測タワーにおける波高データを対象に、周辺海域に自作波浪ブイを複数展開することで実施した。ここでもある程度良好な予測が確認されたものの、水槽実験と比較すると精度が低下した。原因として、計測点の漂流影響や波への地形影響などが考えられる。本実験において、実海域における複数点の波高データを取得したこと、またGPSにより漂流現象の定量的なデータ取得を実現したことで今後の予測アルゴリズムの改善に向けた貴重な情報を入手することができた。 また力学的知見に基づいた予測アルゴリズムに加えて、データ駆動型の予測アルゴリズム構築の可能性についても検討を実施した。具体的には、数値シミュレーション、水槽実験の計測データと予測地点のデータを学習データさせたニューラルネットワークの予測モデルを構築した。学習に必要なデータ量を変えながら、予測モデルの精度を評価した。十分な学習データを与えた予測モデルでは、力学的知見に基づく予測アルゴリズムと同程度の高い精度で予測が可能であることがわかった。一方で実海域試験では、計測地点が漂流影響があり、観測点と予測点の関係が必ずしも同じではない(つまり独立同分布と見なせない)データ群を対象として学習することになってしまうため、予測に活用することはできなかったと考えられる。漂流効果は力学モデルで定量的に評価・補正が可能であると考えているため、力学的な知見とデータ駆動型の予測モデルを融合させるようなアプローチが今後の展開として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水槽実験や実海域試験など、当初計画されていた研究計画を順調に進められている。実海域試験での予測精度に改善施策が求められているが、複数回の試験によりデータが蓄積しており、手法改善に向けた準備も整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実海域試験における予測精度改善に優先的に取り組む。これまでの試験は多方向からの波浪が混在する複雑な海象だったことを鑑み、より予測が簡易と考えられる海域を選定した上で、実海域での検証を進めることを考えている。同時に手法の改善についても検討を進める。
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Causes of Carryover |
実海域でのドローン飛行実験について飛行できる環境が整わなかったので、次年度以降で検討することとなった。
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Research Products
(1 results)