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2018 Fiscal Year Research-status Report

船体付着生物の微量定量分析法開発による防汚性能評価法の研究

Research Project

Project/Area Number 17K06972
Research InstitutionNational Institute of Maritime, Port and Aviation Technology

Principal Investigator

益田 晶子  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10322679)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堂前 直  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, ユニットリーダー (00321787)
安藤 裕友  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (70462869)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords防汚塗料 / 亜酸化銅 / タンパク質 / アミノ酸組成分析
Outline of Annual Research Achievements

船体生物付着による生物越境移動等の環境影響を防ぐため、船体には防汚塗料が塗装されている。生物付着はバクテリアによるスライム層の形成、微小藻類の付着、動物種の付着、と段階的に進み、特に初期のスライム層形成は防汚剤溶出を阻害し、さらなる生物付着を促進すると予測されている。しかしこれまで、初期スライム層は目視できず定量的評価は困難だった。そこで本研究では、スライム層中のタンパク質に着目し、タンパク質の絶対量を定量することで、スライム層形成量の定量評価を行った。
防汚剤を含まない塗装試験片および防汚剤を含む塗装試験片を、10ノットで船舶が航行している条件において天然海水中45日間動的養生した。その後、船舶が停泊していることを想定し、12時間ごとに明暗時間を設定し、一定温度の天然海水中に静置浸漬した。4日ごとに海水を交換して浸漬試験を行ったが、10日目以降は急激に付着物量が減少し、静置浸漬条件下では長期のバクテリア維持が困難なことがわかった。そこで4日以内の静置浸漬試験を行い、亜酸化銅含有量40wt%と0wt%の試験片で付着タンパク質量を比較した。亜酸化銅を含まない試験片では、浸漬開始時の3倍程度の付着量が見られ、防汚剤を含まない場合、初期付着物を足がかりに、さらに付着が起こることが示された。
また、亜酸化銅含有量40wt%の試験片からの銅イオンの溶出速度を溶出時間を変えて計測した。溶出開始5分では動的養生時に表面に付着した銅イオンの溶離によって急激に銅の溶出濃度があがるが、1時間後、2時間後の溶出速度はほとんど変わらず、一定になることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画のとおり、基盤技術として、回流型溶出試験装置を用いて、塗装試験片から銅イオンを溶出させ、固相抽出カラムを用いて脱塩・濃縮を行って銅イオンの定量を行った。これにより、目標であった「スライム付着塗装試験片からの防汚剤溶出量定量法の確立」を達成することができた。

Strategy for Future Research Activity

スライム層中のタンパク質定量から、スライム層形成量が塗料中の亜酸化銅配合量によってどう変わるのか明らかにする。また、スライムが付着した塗装試験片からの銅溶出濃度から銅溶出速度を算出し、この銅溶出濃度や溶出速度が、付着スライム層量によってどう変化するか、塗料中の亜酸化銅配合量によってどう変わるのか明らかにする。
このようにして、タンパク質定量法から求めたスライム層形成量と防汚剤溶出量定量法から求めた銅溶出速度の相関関係を、塗料中の亜酸化銅配合量別に調べ、スライム形成が防汚効果に与える影響を明らかにする。

Causes of Carryover

旅費を使用しなかったため。次年度国内学会発表を予定しており、旅費として使用予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アミノ酸分析法を用いた船体付着生物の定量2018

    • Author(s)
      益田晶子、堂前直、安藤裕友
    • Organizer
      日本アミノ酸学会第12回学術大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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