2018 Fiscal Year Research-status Report
超希薄予混合気ガスにおけるプラズマ支援着火・燃焼技術に関する研究
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17K06976
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
関口 秀紀 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80415843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 泰久 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20586680)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プラズマ支援着火・燃焼技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、地球温暖化防止や原油代替燃料の観点から注目される天然ガスを燃料とする予混合気希薄燃焼方式(リーンバーン)ガス機関は、超希薄予混合気ガスの安定着火・燃焼により、更なる高出力化(高効率化)および温室効果ガスの削減等の高性能化が可能と考えられており、そのためには、超希薄予混合気ガスの着火・燃焼支援技術の開発が重要な研究要素となっている。本研究課題では、予混合気リーンバーンガス機関の高性能化に寄与する超希薄予混合ガスにおける安定着火・燃焼速度維持向上を実現する技術として、強力な着火エネルギーおよびラジカルやオゾン等の燃焼促進物質の供給が可能なプラズマ支援着火・燃焼技術を確立することを目的としている。 平成30年度は、平成29年度に製作した2.45 GHzのマイクロ波を用いた熱平衡プラズマによる高温プラズマジェットトーチ生成装置(本装置は、マグネトロン(600 W)-同軸変換器-同軸レセプタクル-金属棒(直径2 mm、長さ約30 mm)を接続した簡易構造であり、金属棒には、周囲金属への直接放電を防止するため、石英ガラス管を設置している。また、金属棒周囲に各種ガスを流通させるチーズユニオンおよび石英ガラス管(内径約15 mm)を配置した構成となっている)を用い、希薄混合気ガスの空気過剰率を増加しながら、希薄予混合気ガスに対するプラズマ支援着火・燃焼を検証した。その結果、当量比約0.26程度の予混合気ガスを着火・燃焼できることを確認した。また、同装置を用いて空気をプラズマ化することも可能であり、その際、燃焼促進物質であるオゾンや空気中の水分に起因するOHラジカル等の生成を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、交付申請書に記載した「研究の目的」に対して、平成29年度に製作した2.45 GHzのマイクロ波を用いた熱平衡プラズマによる高温プラズマジェットトーチ生成装置を用いて、当量比約0.26程度の予混合気ガスに対して、プラズマによる着火・燃焼が可能であることを確認した。また、同装置を用いて空気をプラズマ化することにより、燃焼促進物質であるオゾンや空気中の水分に起因するOHラジカル等の生成を確認した。これらの研究の進捗から本研究課題は、「(2) おおむね順調に進展している」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成29年度に製作した2.45 GHzのマイクロ波を用いた熱平衡プラズマによる高温プラズマジェットトーチ生成装置を用いた希薄予混合気ガスのプラズマ支援燃焼技術および支援着火技術の効果を定量的に評価するため、プラズマ生成に寄与するマイクロ波出力エネルギーを計測するための改修を行うと共に、改修した装置を用いて、希薄予混合気ガスに対する燃焼速度および着火性の計測を実施する。燃焼速度の計測に関しては、高画質カメラにより撮影したバーナー火炎内の火炎面の角度から燃焼速度を評価し、プラズマ支援燃焼技術の効果を定量的に評価する。また、着火性の計測に関しては、希薄混合気ガスの空気過剰率を増加しながら、マイクロ波出力エネルギーと希薄混合気ガスの着火との関係を評価し、プラズマ着火支援技術の効果を定量的に評価する。
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Causes of Carryover |
【理由】その他に関しては物品購入に関する所属機関の規定に基づき、物品費に振り替えを行っている。また、物品費(+その他)に関しては所属機関の既存機器等を利用できたために残額が生じ、旅費に関しては出張予定を取りやめたために生じた残額である。 【使用計画】最終年度も、本研究課題を円滑に推進するために必要となる物品購入等(主に構築した装置の改修・消耗品等)に適正に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)