2017 Fiscal Year Research-status Report
局所的な自然放射線環境の復元に基づく表層型メタンハイドレート生成史の解明
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17K06983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 篤史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10335333)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタンハイドレート / 非在来型天然ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究室で開発した小型高圧容器を用いて未分解のメタンハイドレートを分取する実験を進めたところ,容器にセットした試料がすべて融解してしまうことがあった.貴重な天然のメタンハイドレート試料から確実に未分解のメタンハイドレートを採取するため,今年度は小型高圧容器を用いた分取法の実験手順の最適化をすすめた.高圧容器下部を氷水にて冷却後,液体窒素で冷却した「分解水を含むメタンハイドレート試料」を入れ,容器を密閉し,窒素ガスを導入することで0℃,数十気圧となるように調整した.窒素ガスの導入時にメタンハイドレート試料が昇華するという問題があったが,窒素ガスのフロー量の調整とメタンハイドレート試料サイズを選択することで,未分解のメタンハイドレートを残すことが可能となった.また,実験に用いるメタンハイドレート試料に含まれる未分解のメタンハイドレートの割合も,分取がうまくできるかという結果に影響することがわかってきた.そこで,未分解のメタンハイドレートの割合の多い試料を選ぶことが研究を進める上で重要であると考え,「分解水を含むメタンハイドレート試料」の顕微ラマン分光観察を各試料に対して行うためのステージ台の設計と開発を行った.設計には予備実験で得た知見を活用するとともに,レーザー光漏えい防止の安全対策も実施した.今後は,顕微ラマン分光観察により未分解のメタンハイドレートを多く含む試料を選び,その後に分取作業をすすめ,必要な分析をすすめていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未分解のメタンハイドレートを分取することにメドがついた.調書計画では,GC-MS分析まで終える予定であったが,今年度に別途顕微ラマン分光観察装置を導入することができたため,一部計画を変更し,より確実に未分解のメタンハイドレートを分取するための準備をすすめることができた.よって,全体としては,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
顕微ラマン分光装置による「分解水を含むメタンハイドレート試料」の観察と未分解メタンハイドレートを多く含む試料の選別,および未分解メタンハイドレートの分取作業をすすめ,GS-MSでの計測を行っていく.また,当初計画にあった自然放射線場の計算についても平行して行うことで,当初目標としていた生成年代推定をすすめる.
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Causes of Carryover |
当初予定してた分析に使用する消耗品費等を次年度に使用することになったため.
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Research Products
(2 results)