2018 Fiscal Year Research-status Report
局所的な自然放射線環境の復元に基づく表層型メタンハイドレート生成史の解明
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17K06983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 篤史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10335333)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタンハイドレート / 非在来型天然ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの実験をふまえ,小型圧力容器に入る試料を対称に天然ガスハイドレート試料から状態のよい天然ガスハイドレートの抽出作業をすすめた.その結果,これまでに採取したフレーク状や粒状の試料においては,状態がよくサイズの大きい(5mm程度を想定)試料を得ることは難しいことが明らかとなった.このことは,小さい試料では採取時にほとんどの天然ガスハイドレートが分解してしまっていることを意味していると考えられる.想定している状態のよい天然ガスハイドレートを得るためには,より大きく分解が進んでいない試料を用いた試料抽出作業の必要となった.そのような試料の候補としてボーリングコア試料が想定されるため,径の大きい試料をそのまま圧力容器に入れ,状態のよい天然ガスハイドレートの抽出を可能にする圧力容器が求められた.今年度別途開発していた氷衛星内部海再現装置はその条件を満たすことから,今年度後半は本課題における再現装置の使用可能性について検討した.ガス領域を減少させるため,装置を小型化する設計を進め,作製した.その後,容器内部の温度分布や冷却・加熱速度についての基礎実験を進めた.アクリル製のため液体窒素に漬けるといった作業はできないが,容器内部(下部)を-10℃と氷点以下にすることが可能であることがわかり,天然ガスハイドレートの表面のみ分解させつつ試料を取りだせることがわかった.よって,再現装置は状態のよい天然ガスハイドレートの抽出作業に使用できることが明らかとなった.加えて,電子スピン共鳴を移設し,ガスハイドレートにおける放射線誘起ラジカル反応の素過程に関する研究も進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
天然に採取した試料において,状態のよい天然ガスハイドレートがほとんど残っていないという想定していない結果となったため,天然ガスハイドレートのGC-MS分析を進めるという当初計画に従った研究を進めることができなかった.このことは根本的な問題であると認識し,新たな装置を用いた研究課題遂行の可能性を見出した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を変更し,氷衛星内部海再現装置を用いてボーリング試料の天然ガスハイドレートから状態のよい未分解メタンハイドレートを分取する.その後,当初計画していたGS-MSでの計測を行っていく.自然放射線場の計算モデルの構築も現在進めており,年度末にはプログラム化する予定である.
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Research Products
(9 results)