2020 Fiscal Year Research-status Report
Impact of turbulence on the transport of energetic particles
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17K06991
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石澤 明宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30390636)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラズマ閉じ込め / 非線形 / 乱流 / MHD / 燃焼プラズマ / 数値シミュレーション / ジャイロ運動論 / プラズマ・核融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合プラズマを維持するためには、燃焼によって生じた高エネルギー粒子とそれによって加熱される燃料プラズマそれぞれの良好な閉じ込めが必要である。磁場閉じ込め型核融合装置におけるこの燃焼プラズマの閉じ込め悪化は、主に以下の二つの原因による。高エネルギー粒子の閉じ込めは高エネルギー粒子駆動のマクロな電磁流体(MHD)不安定性によって劣化され、ミクロスケールを持つドリフト波乱流による輸送は燃料プラズマの閉じ込めを低下させる。したがって、これ等の電磁流体(MHD)不安定性および乱流による閉じ込め悪化機構を理解する必要がある。本研究では、世界最先端である大域的電磁的ジャイロ運動論シミュレーションを行い、高エネルギー粒子駆動MHD不安定性と乱流の相互作用による高エネルギー粒子および燃料プラズマの熱・粒子輸送を同時に評価することを目的とする。 今年度は、ドリフト波不安定性によって駆動される乱流(ドリフト波乱流)と高エネルギー粒子駆動MHD不安定性の非線形マルチスケール相互作用を新たに開発したジャイロ運動論シミュレーションによって調べた。その結果、高エネルギー粒子駆動MHDとドリフト波乱流の相互作用は、ドリフト波乱流を変調させ、高エネルギー粒子の輸送及び燃料プラズマの輸送両方を増大させ、燃焼プラズマの閉じ込めを悪化させることが明らかになった。この結果を、2020年開催のIAEA核融合会議に発表申請し、口頭発表に選ばれた。(この会議は2021年に延期されオンライン開催となった。) また、先進トカマク配位である反転磁気シア磁場配位に閉じ込められた有限β(有限圧力)プラズマにおける乱流輸送の数値シミュレーションも行い、このプラズマに現れる運動論的インファーナルモードの非線形飽和機構を明らかにし、その結果を海外雑誌Physics of Plasmasに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
核融合炉における燃焼プラズマでは、乱流によって生じる燃料プラズマの熱及び粒子の輸送に加えて、核融合反応で生じる高エネルギー粒子がMHD不安定性を起こし、高エネルギー粒子の閉じ込め悪化が生じる。本研究では、この閉じ込め悪化の機構を理解するために大域的電磁ジャイロ運動論シミュレーションコードを開発し、このシミュレーションコードを用いて、乱流と高エネルギー粒子駆動MHD不安定性の相互作用の機構を理解するとともに、そのプラズマ閉じ込めへの影響を評価する。 昨年度までに、この研究に必要な大域的電磁ジャイロ運動論シミュレーションコードの開発を完了した。そして、今年度は、本研究課題の主目的である乱流と高エネルギー粒子駆動MHD不安定性の相互作用を明らかにするために、大域的電磁ジャイロ運動論に基づく電磁的ドリフト乱流および高エネルギー粒子駆動巨視的MHD不安定性の非線形発展の数値シミュレーションを行った。そして、核融合反応で生じる高エネルギー粒子によって駆動されるマクロなMHD不安定性と燃料プラズマのミクロな乱流の相互作用によって生じるプラズマの輸送を評価した、その結果、高エネルギー駆動MHD不安定性とドリフト波乱流の相互作用により、高エネルギー粒子の閉じ込めと燃料プラズマの閉じ込めどちらも悪化することが示された。この結果を、IAEA核融合会議へ発表申請した結果、高く評価され、口頭発表に選ばれた。 また、運動論的インファーナルモード(KIM)の非線形シミュレーションを行い、先進トカマク配位の高ベータプラズマにおいて乱流輸送を引き起こす運動論的インファーナルモード(KIM)の非線形飽和機構を示した。この結果を論文にまとめ、海外雑誌Physics of Plasmasに発表した。 以上のことから、研究課題の達成度は順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、本研究課題の主目的である電磁的ドリフト波不安定性に駆動された乱流と高エネルギー粒子駆動MHD不安定性であるトロイダルアルフェン固有モード(TAE)の非線形相互作用の数値シミュレーションを行った。そして、乱流とMHD不安定性のマルチスケール相互作用によって生じる熱および粒子の輸送を評価した。その結果、マルチスケール相互作用によりプラズマ閉じ込めは悪化することが明らかになった。今後は、乱流とMHD不安定性がマルチスケール相互作用しながら非線形飽和する機構を理解するとともに、プラズマ閉じ込め悪化機構の理解を進める。さらに、マルチスケール相互作用がプラズマ閉じ込めを良好にする場合を見つけるために、磁場配位および密度・温度分布が異なる場合のシミュレーションを行う。これらの大規模数値シミュレーションにより燃焼プラズマにおける高エネルギー粒子駆動MHD不安定性と乱流の相互作用による高エネルギー粒子および燃料プラズマの熱・粒子輸送を同時に評価し、その機構を理解する目的を達成する予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定であった国際会議(IAEA核融合会議)がオンライン会議になり海外渡航費を必要としなくなった。その結果、次年度使用額が発生した。次年度使用額は、コンピュータの購入などに当てる予定である。
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Research Products
(9 results)