2023 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of turbulence on the transport of energetic particles
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17K06991
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石澤 明宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30390636)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核融合 / プラズマ / 燃焼プラズマ / 乱流 / MHD / 数値シミュレーション / ジャイロ運動論 / 非線形 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場閉じ込め型核融合装置において燃焼プラズマを維持するためには、燃焼によって生じた高エネルギー粒子とそれによって加熱される燃料プラズマそれぞれの良好な閉じ込めを両立させることが必要である。 本研究は、この燃焼プラズマの閉じ込め悪化を引きおこす主要な原因となる電磁流体不安定性(MHD)と乱流輸送を、世界最先端である大域的電磁的ジャイロ運動論シミュレーションを用いて評価することに成功した。高エネルギー粒子の閉じ込めは高エネルギー粒子駆動のマクロな電磁流体不安定性(トロイダルアルフェン固有モード、TAE)によって劣化され、一方、ミクロスケールを持つドリフト波乱流による輸送は燃料プラズマの閉じ込めを低下させる。本研究では、従来の研究と異なり、TAEと乱流のマルチスケール相互作用を初めて計算し、この相互作用の下で高エネルギー粒子および燃料プラズマの熱・粒子輸送を同時に評価した。その結果、TAEとドリフト波乱流の相互作用は、乱流揺動を波数空間と実空間の両方で同時に広げることを新たに示した。そしてその結果、揺動振幅は増大し、高エネルギー粒子の輸送及び燃料プラズマの輸送両方を増大させ、燃焼プラズマの閉じ込めを悪化させることを明らかにした。 本年度は、核融合燃焼プラズマにおける乱流輸送の規格化圧力(ベータ)値依存性を定量的に評価するために、電磁的ジャイロ運動論シミュレーションを行った。その結果、ベータ値の上昇とともに閉じ込め磁場構造が変化することの重要性および電磁的乱流の大局性の重要性を示した。この成果を第29回IAEA核融合エネルギー国際会議(2023年10月16日から21日、ロンドン、イギリス)において発表した。また、この成果はNulcear Fusion誌に掲載された。
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Research Products
(10 results)