2019 Fiscal Year Research-status Report
Three-dimensional structure and dynamic response of streamers in plasma turbulence
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17K06994
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 琢磨 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (90437773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乱流計測 / 非線形結合 / ストリーマー |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ乱流内の非線形結合により生成されるストリーマーやゾーナルフローなどのメゾスケール構造は輸送に大きな影響を与えるため、その構造を解析することは核融合プラズマの研究において非常に重要である。九州大学の直線プラズマ乱流実験装置(PANTA)では、周方向64チャンネルプローブ(測定半径4 cm、径方向位置1.885 m)をはじめとした多チャンネル静電プローブ計測により、プラズマ乱流内の非線形結合を研究している。従来までの研究で、メゾスケール構造の一種で径方向輸送を増大するとされるストリーマーと、ストリーマーと対になって現れる径方向に節のある「媒介波」と呼ばれる揺動の三次元構造や互いの非線形結合が観測された。本研究ではさらにストリーマー構造の破壊やコントロールを試みるために、エンドプレートにバイアス電圧をかける実験を行った。エンドプレートバイアス実験によって、ストリーマー構造が破壊されて周期的な孤立波へと変化していく様子が確認されたが、それと同時に媒介波の径方向にある節の位置がプラズマの中心に向かって移動することも観測された。これは、中性粒子ガス圧を増大させていく際に起きるストリーマーから孤立波への遷移時に媒介波の節の位置が径方向において変化しないのとは異なる遷移の仕方である。エンドプレートバイアス実験においては、軸方向に流れる電流がバイアスによって増加したことによってピンチ効果でプラズマが圧縮したのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ストリーマー構造の解析結果によりストリーマーの詳しい構造やモード間非線形結合、ゾーナルフローとの共存、バイアス実験による構造の破壊が明らかになったことは順調である。しかし、中途で軸方向シアフローの影響を調べることが重要となったために、再設計を行った直線プラズマ装置に設置する予定の新プローブの設置計画は予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
直線プラズマ装置に新プローブを設置してテストを行うと同時に、状況に応じて同型や修正を加えたプローブを追加で設計・設置する。軸方向シアフローがストリーマーに与える影響のほか、ストリーマーの詳細な構造やゾーナルフローとの共存関係を調べる。バイアス実験による動的応答についても研究をさらに発展させる。
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Causes of Carryover |
乱流の構造形成に軸方向シアフローが与える影響を調査する重要性が高まり、直線プラズマ装置に設置する新プローブの設計の見直しが必要になり、設置計画が遅れているため。また新型コロナウィルスの影響で、2020年3月の物理学会の現地開催が中止となったため。
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Research Products
(11 results)