2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of maintaining a steady burning plasma using a unified method of fluid and kinetic pictures
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17K07001
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
本多 充 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 上席研究員 (90455296)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューラルネットワークモデル / 代理モデル / 統合モデル / ペデスタル / 流体型輸送方程式 / 不純物輸送 / 両極性輸送 / 運転シナリオ開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度はニューラルネットワークモデルを元とした乱流輸送モデルの代理モデルの発展、定常輸送コードGOTRESSを核とした統合モデルGOTRESS+の開発及びJT-60SA運転シナリオ開発、さらに多流体輸送コードTASK/TXの不純物拡張及び両極性輸送の研究を行った。 令和元年度において計算コストの高い乱流輸送モデルTGLFの動作を模擬する代理モデルの開発に成功していた。今年度は、代理モデルが学習したパラメータ域外においてどこまで元のモデルの挙動を模擬できるかの調査を行った。支配的なプラズマ不安定性が変化しない範囲においては、学習パラメータ域外においても良好な外挿性を確認した一方、主たる不安定性が変化するなど質的な変化が生じるパラメータ領域においては大幅な予測性能の低減を確認した。この問題点は多数のケースを学習した代理モデルを構築することである程度克服できることも確認した。 GOTRESS+にペデスタル幅を予測するモデルEPED1モデルを組み込んだことにより、Hモード放電におけるプラズマ全域の予測とMHD安定性の検証が可能となり、信頼性の高いJT-60SA放電予測を行えるようになった。JT-60SAのITER相似誘導放電シナリオと高圧力非誘導定常運転シナリオの運転シナリオ妥当性検証シミュレーションを行い、CDBMモデルを用いた結果、いずれも目標とする無次元量を概ね満たすシナリオが成立しうることを確認した。 多流体輸送コードTASK/TXを拡張し、不純物の挙動を扱えるようにした。不純物はバルクイオンと同様の方程式群によって記述されており、電子・バルクイオン・不純物を完全に自己無撞着に扱うことができるようになった。拡張されたTASK/TXを用いて新古典両極性輸送の研究を行い、従来無視されていた電子の粒子束は有限の誘導電場下において無視できない大きさであることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の持ち越し課題となっていたTASK/TXの不純物拡張を完遂し、学会発表を行った。ニューラルネットワークモデルの拡張についても大きく進展し、国際学会で招待講演を獲得したほか、Plasma and Fusion Research誌において論文が出版された。GOTRESS+の拡張によりJT-60SAを含むトカマク装置における運転シナリオ開発が可能となり、IAEA核融合エネルギー会議においても発表を獲得した。 それゆえ、計画は概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度設定した3つの研究課題のうち、最初の2つは今年度完遂した。一方で下記に示すようないくらかの課題が残っているため、それらに取り組む予定である。 ①GOTRESSに核燃焼による加熱過程を取り込み、燃焼中のITER/DEMOプラズマの予測を可能とする。 ②TASK/TXの不純物拡張は終わったが、不純物のソースモデリングはまだである。炭素を中心とした不純物源のモデリングを行う。 ③TRESS+GKVに電流拡散ソルバを導入し、電流拡散時間程度で平衡が時間発展する状況における初のジャイロ運動論コードと結合した輸送シミュレーションを実 施する作業に取り組む。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大により学会の現地開催が全てオンラインへ移行したことにより旅費の使用が零となった。さらに購入を検討していたGPGPUワークステーションに関しても、令和2年度より開始された「富岳」成果創出加速プログラムによる外部資金によって賄われたため、支出することがなくなった。 研究代表者の所属機関が令和3年度に変更となった。研究環境整備や論文発表費などに支出する予定である。
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Research Products
(4 results)