2017 Fiscal Year Research-status Report
Systematic measurement and database construction of residual activities induced by low energy charged particle
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17K07010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八島 浩 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (40378972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 雅之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 研究機関講師 (10450363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 誘導放射能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には量子科学技術研究開発機構(放射線医学総合研究所)サイクロトロン施設においてヘリウム粒子を用いた銅試料への照射実験を行い、放射性核種の励起関数測定を行った。しきいエネルギー付近までの励起関数を測定できるよう、薄い銅試料を何枚もスタック上に入射ヘリウム粒子の飛程より厚くなるように重ねた。入射粒子のエネルギー及び粒子数をモニタするためのモニタ箔を銅試料に挿入した。照射したサンプルに生成した放射性核種から放出されるガンマ線のエネルギースペクトルを高純度Ge検出器を用いて生成核種の半減期に応じて繰り返し測定を行っている。測定されたガンマ線エネルギースペクトルから生成放射性核種についての解析を進めている。 また、計算コードを用いた核種生成放射能の計算も進めている。148,217MeV炭素粒子入射によって銅ターゲットに生成する誘導放射能の銅ターゲット内分布をPHITSコードによる粒子輸送計算と核種生成断面積データライブラリACSELAM Libraryを用いて計算し、研究代表者らが過去に行った実験結果と比較した。生成核種が銅より重い場合はターゲット内部で放射能が増加する傾向にあり、計算値は実験値とほとんどの結果についてファクター3程度で良く再現していた。一方で、生成核種が銅より軽い場合はターゲット内部で放射能が減衰する傾向にあり、コバルト同位体以外について計算値はほとんどの実験値を大体ファクター3程度で良く再現していたが、コバルト同位体については計算値が実験値を大きく過小評価していた。コバルト同位体は長半減期のものが多く残留放射能を評価する上で重要な核種であり、本研究のように実験データを得て計算値の妥当性評価を行うことは重要であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画していたヘリウム粒子を用いた銅試料への照射実験を行うことができた。また、PHITSコードによる粒子輸送計算と核種生成断面積データライブラリACSELAM Libraryを用いた誘導放射能の計算も進めることができたことから本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はネオン、酸素粒子を用いた照射実験を行い、放射性核種の励起関数測定を行うとともに29年度に行った照射実験で生成した長半減期核種の測定を行い、実験データの解析を進める。得られた実験結果とPHITS等の計算コードによる結果と比較することで、計算コードの妥当性確認を行い、核種生成断面積についての考察を行う予定である。
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Research Products
(1 results)