2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K07013
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前山 拓哉 北里大学, 理学部, 助教 (70612125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余語 克紀 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 研究員 (30424823)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲル線量計 / 蛍光プローブ / ナノクレイ / 放射線治療 / 放射線化学 / 水溶液線量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲル線量計は水を主成分とした生体に近い材料であり、三次元線量分布を評価することができるため、放射線治療における複雑な三次元線量分布の検証手法として期待されている。これまでに報告されているゲル線量計は大きく分けて放射線誘起の酸化反応を利用するフリッケゲルと重合反応を利用するポリマーゲル線量計がある。全てのゲル線量計のゲル化剤はこれまでにゼラチンなどの有機ゲル化剤が利用されてきたが、本研究では新規に少量の水分散ナノクレイをゲル化剤として放射線感受性化合物を加えたチキソトロピックゲル線量計の開発を進めている。特に、放射線照射後に蛍光物質となる蛍光プローブの適用を目的として、本年度は以下の成果を得た。 (1) 水溶液線量計として報告されている多くの蛍光プローブ(安息香酸、テレフタル酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、クマリン-3-カルボン酸)においてクレイゲルもしくはゾル中での放射線照射に従った蛍光強度の増加を観測した。 (2)クマリン-3-カルボン酸から照射後に生じる7-ヒドロキシクマリン-3-カルボン酸の蛍光量子収率がクレイゲル中で6倍近く増加し、水溶液線量計と同程度の感度特性を持つことが分かった。 これらの結果は有機ゲル化剤であるゼラチンをゲル化剤として用いた蛍光ゲル線量計に対して一桁以上の感度の増加が見込まれた。ナノクレイをゲル化剤として用いることにより、高感度化に成功した要因として、水分解ラジカルとクレイとの低反応性のみならず、ゲル中がアルカリ性であることが寄与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究結果は現在論文投稿中であり、当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果は現在論文投稿中であり、当初の計画通りに進展している。
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Causes of Carryover |
差額は少額であり、来年度の必要備品の購入に用いる。
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Research Products
(7 results)