2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of cytogenetic biodosimetry methods for radiation accidents/incidents
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17K07023
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
數藤 由美子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高度被ばく医療センター 計測・線量評価部, グループリーダー(定常) (70313202)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生物線量評価 / 二動原体染色体 / 転座 / FISH法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 染色体異常の維持・消失 実験的にガンマ線2.0 Gy照射した末梢血リンパ球や、過去に放射線事故で被ばくした人の末梢血リンパ球から得られた3色FISHデータで1回目分裂、2回目分裂、3回目分裂細胞の染色体異常を比較したところ、分裂回数が増すにつれ二動原体染色体の出現頻度は減少した。転座染色体の場合、2回目分裂ではほぼ変化が無かった(投稿論文準備中)。本手法は線量推定だけでなく染色体異常の維持・消失や半減期の解明、クローナリティのスクリーニングにも適用できる。一方、ガンマ線照射後1~5年間凍結保存した末梢血リンパ球の培養に成功し、新鮮なリンパ球と比較して各種染色体異常の頻度に有意差は無いことがわかった(10. 研究発表[雑誌論文1])。凍結保存リンパ球を用いたFISH解析法は、原発事故作業者の健康管理等において初期値の確保が可能になるなど有用性が高い。
(2)染色体画像解析技術の検討 最初に、ガンマ線0.85 Gyおよび2.7 Gy照射標本を用い、熟練者目視観察によりFISHの検出力を確認した。FISH画像はギムザ染色画像と比較して染色体異常の高い精度の検出力があり、さらにデータ採択率が高く(ギムザ:51~66%、FISH:90~95%)、効率の良い手法であることが明らかになった。このことから、機械学習による染色体異常検出はFISH画像であれば比較的容易であることが予想された。FAST Visionソフトウェアを用いて人間によるパラメータ設定(特徴付け)を行って試験したところ、染色体検出力も染色体異常分類能も不十分であった。試みに、120枚と少数ではあるが3色FISH画像を用いて人間によるパラメータ設定によらない深層学習法(畳み込みニューラルネットワーク)を用いたところ、高精度で交換型染色体異常を検出することができた(投稿論文準備中)。今後の本格的な研究開発がまたれる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] CAPABILITIES OF THE ARADOS-WG03 REGIONAL NETWORK FOR LARGE-SCALE RADIOLOGICAL AND NUCLEAR EMERGENCY SITUATIONS IN AISA2019
Author(s)
Jang S, Suto Y, Liu J, Liu Q, Zuo Y, Duy P N, Miura T, Abe Y, Hamasaki K, Suzuki K, Kodama S
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Journal Title
Radiation Protection Dosimetry
Volume: 186
Pages: 138-142
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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