2017 Fiscal Year Research-status Report
スマートスタックによるペロブスカイト/結晶Siタンデム太陽電池の実現
Project/Area Number |
17K07037
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
水野 英範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究部門付 (90581281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮寺 哲彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (30443039)
沙拉木江 司馬依 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 産総研特別研究員 (20795166)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 結晶シリコン / ペロブスカイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属ナノ粒子配列を用いた接合技術「スマートスタック」により、トップにペロブスカイト太陽電池、ボトムに結晶シリコン太陽電池を用いたタンデム型太陽電池を作製し、良好なデバイス特性を確認することを目的としている。 本年度(初年度)は、まず必要となる結晶シリコン太陽電池の作製に注力した。ペロブスカイト太陽電池の極性は上/下=+/-であるため、結晶シリコン太陽電池も同様の極性構造を有する必要があった。そこでn型結晶シリコン基板を用い、表面にホウ素をドープ、裏面にリンをドープすることによりp+nn+型結晶シリコン太陽電池を作製した。単体セルとして外部量子効率測定を行った結果、タンデム時にはボトムセルとして良好な特性が期待できる(特に長波長領域において高い外部量子効率を有している)ことが確認できた。 また、一般にペロブスカイト太陽電池は湿気や酸素等存在下ではデバイス特性が短時間のうちに劣化することが知られているため、デバイス作製ならびに特性評価の際には不活性ガス等で制御された雰囲気下で行われる必要がある。我々も(評価の際には)特殊なカプセル型冶具を用いて行うことを当初から想定しており、したがって作製するタンデム型太陽電池もこのようなセットアップに適合できるような工夫が求められた。そこでタンデム型太陽電池用サポート基板をデザインした。適切な電極配線等を持たせることにより、既存のカプセル型評価用冶具へも適用可能であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はボトムセルの準備が終了し、トップセルは既存製法を適用する見込みのため、タンデム型太陽電池の実証に向けた要素は整えられた。したがって当初目標はほぼ達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
タンデム型太陽電池を作製する環境は整っているため、早期に実行し問題点・課題を洗い出す。デバイス特性の観点のみならず、接合強度の観点からも評価を行う。光学シミュレーションも駆使した特性の解釈やフィードバックを行う。
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Causes of Carryover |
初年度での導入を検討していた装置(接合用雰囲気制御筐体など)の仕様決定に時間を要したためであり、次年度にずれこんで導入を行う予定。
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