2017 Fiscal Year Research-status Report
Simulation study on functional roles of morphological strucutre of neurons in cerebellar learning
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17K07049
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山崎 匡 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40392162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 潤 国立研究開発法人理化学研究所, 旧次世代計算科学研究開発プログラム, 研究員(移行) (60452827)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小脳 / 学習 / シミュレーション / マルチコンパートメントモデル / 細胞形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究実施計画に沿って、小脳皮質のマルチコンパートメントモデルの構築と、GPUを用いた高性能神経計算を行った。前者については、53コンパートメントからなる顆粒細胞1024個、8コンパートメントからなるゴルジ細胞1024個、1600コンパートメントからなるプルキンエ細胞32個を実装し、それらを小脳の解剖学的構造に忠実にシナプス結合させた最低限の小脳皮質モデルを構築した。申請書の内容と比較して、顆粒細胞の数は1/10だが、ゴルジ細胞の数を10倍にしている。理由は顆粒細胞のコンパートメント数が多く数値計算に時間がかなりかかってしまうことと、ゴルジ細胞の数が少なすぎて意味のある神経活動のパターンを生成することができなかったからである。数値シミュレーションにより、顆粒細胞とゴルジ細胞が10--15Hz程度の周波数で同期して発火することを確認した。この挙動は安静時の動物の小脳顆粒層で見られるシータレンジでの電場電位の振動に対応していると考えられ、モデル研究の先行研究(Honda et al. 2011)でも確認された現象である。よって我々のモデルは先行研究ならびに動物実験の結果を再現していると考えられる。後者については、マルチコンパートメントモデルの数値計算を安定しておこなうために、陰解法による数値解法を導入した。係数行列をELL形式で保持することでメモリ使用量を抑え、共役勾配法による連立方程式の求解をGPUを用いて行った。それにより、CPUに比べて最大25倍計算が高速化された。このことは神経回路シミュレーションにおけるGPUの有用性を示している。さらに、共役勾配法のGPU実装は本研究に関わらず様々な場面で利用可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はほぼ研究実施計画通りに進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も同様に、研究実施計画通りに進行させることを目指す。
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Causes of Carryover |
当初計画では来年度は旅費のみを計上していたが、研究遂行に必要なプログラム作成用に学生アルバイトの謝金を支払いたいことと、今年度旅費を他の研究費で賄うことができたため、使用を控えて来年度に回すことにした。来年度の謝金および旅費に充当する。
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